「ここが郵便局だったって本当?」驚きの変身を遂げた日本の注目スポット3選!安藤忠雄が手掛けたホテルも
the RECORDS/千葉県
千葉県のターミナル駅である千葉駅からほど近く、大きな公園に隣接しているという、恵まれた立地にありながらもその価値が埋もれていたビジネスホテルを改修し、2022年に複合施設として生まれ変わった「the RECORDS」。 1~2階は地域に開けた食堂とし、3~4階はオフィス、5階は会員制の飲食フロアとなっています。公園とつながる設計を施し、「公園との一体感」と「地域の活性化」を実現させました。 誰もが入りやすいようデザインされた1階は、デリ、バー、ベーカリー、コーヒースタンドの4店舗をフードコートスタイルで展開。建物の構造躯体を活かした開放的な吹き抜けと、公園とのつながりが感じられる大きな窓、植栽が居心地のよい空間をつくり出しています。2階にも席が用意されており、千葉公園を望むテラス席でも食事ができます。 1~2階では、毎月トレーニングとヨガの2つのレッスンを実施するほか、音楽イベントや季節に合わせたイベントを実施しています。 3~4階は、千葉の価値の再開発に取り組む拓匠開発のオフィスが入居しています。一般に開放していませんが、既存建物の構造や素材感を活かした空間づくりがなされています。 千葉県千葉市中央区弁天3-2-18
丸福樓/京都府
史的な建造物としても知られる、鍵屋町にある任天堂の旧本社社屋。そこに新しい建物を増築させるかたちで2022年にオープンしたのが、「丸福樓」です。コンバージョンに際して、全体の設計監修は安藤忠雄さんが手掛けました。レトロなホテルの名前は、任天堂の前身にあたる「株式会社丸福」に由来します。 部屋の構成は、ルーフトップテラス併設の丸福樓スイート、露天風呂&和室併設のジャパニーズスイートなど、5つのスイートを含む全18室。部屋によってインテリアや趣きが異なるため、部屋を変えて何度でも泊まりたくなります。 昭和初期に建てられた既存棟は、当時ヨーロッパで流行したアール・デコ様式を用いた幾何学的で鮮やかな色合いが見どころ。柱やタイルは、改修前から残るものです。 また、任天堂の創業者・山内家がプロデュースした「ライブラリー dNa」は、サポーズデザインオフィスによるデザイン。選び抜かれた書籍や花札から着想を得たライゾマティクスによるインタラクティブアートや、遊び心と独創性溢れる品々が並び、任天堂の歴史に触れることができます。 京都市下京区正面通加茂川西入鍵屋町342
今回は、「リノベーション」を超えた「コンバージョン建築」で成功を収めた全国の施設を紹介しました。可能性を秘めながらも活用されていない建築は多くありますが、今後はさらにこのような事例が増えていくのではないでしょうか。