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THE PINBALLS「時の流れを超えて対バン」ロックの歴史に立ち向かう気概:インタビュー

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 ロックバンドのTHE PINBALLSが16日、アコースティックセルフカバーアルバム『Dress up』をリリース。本作は、2006年の結成時からTHE PINBALLSの隠れた名曲や代表曲に自ら新たなアレンジを施した全11曲を収録。パーカッション、バイオリン、サックス、オルガン、ストリングスなど様々な楽器が織り成すアコースティックアレンジで、より美しく繊細に楽曲が“ドレスアップ”されている新たなスタイルの一枚。古川貴之(Vo)に、本作の話を中心にロックという音楽の存在や魅力についてなど話を聞いた。【取材=平吉賢治】

「絶対これはやるべきだ」と思った新たなスタイル

――新型コロナウイルス感染症拡大という特殊な期間中、新たに始めたことはありますか。  これを機に今までやってなかったことをやりたいという思いから、DAW(デジタル音楽制作システム)を始めました。今まではメンバーに弾き語りすれば理解してもらえるのでDAWはいじらなかったんですけど、そういう部分でメンバーに負担をかけているというのもあったので、自分のイメージをちょっとでも正確に伝えられるようにと。実際にやってみたら面白かったんです(笑)。 ――DAWでビートを打ち込んだりギターを重ね録りしたり?  そうです。それで必要な機材のオーディオインターフェース買おうと思ったけど、間違えて似た形の別の機材買っちゃって「ダメだ!」って返品したり(笑)。そういうのも楽しかったりしました。 ――Twitterでは弾き語り動画をアップされていましたね。  それもこれを機にやりたいなと思って。「そういうのはあまりやらない方がいいかな」とも思っていたんですけど、やってみたら楽しくて。これからもずっとやろうかと思っています。 ――色々と新たなことを始めた時期だったのですね。さて、今作はセルフカバーのアコースティックアレンジアルバムですが、このスタイルをとった意図や着想は?  自分達もマネージャーさん達も「まだまだできる」という意識をずっと持っていたんです。自分達にとってプラスになることは、やったことがないことでもやった方がいいという共通認識がありまして。毎年CDを出させて頂いていますけど、「ちょっと新しいことをやってみたいよね」というのが元々あった中でアコースティックアレンジという案があったんです。新しい発想や自分達にとってのスキルアップをしたいという話もしていたので、コロナの影響でリリース期間が延びたこともあって「このスケジュール感なら1枚アルバムができる」と。だったらまるまる1枚セルフカバーで全部録り直そうという感じでした。 ――THE PINBALLS初のアコースティックアレンジアルバムですが、着手する時の感触はどのような心境でしたか。  最初はそんなに自信はなくて。アコースティックは演奏の技量が求められると思うので。 ――比較的、演奏の音がダイレクト気味という点で?  アコースティックでは、音の歪みやサスティーン(響き、余韻)でのある種のごまかしみたいなのができないと思うので。やっぱりバンドの中でもちょっとビビッてたりとか「果たしてできるのか」という思いもあったんですけど、絶対これはやるべきだなと思いました。楽しいですし、色んな発見がありました。 ――本作ではサックスやストリングスにパーカッションなども含んだ様々なアンサンブルが楽しめます。さきほど仰った「ごまかしがきかない」という生演奏ならではの空気感がアルバムから伝わってきました。  パーカッションなんかも一打ずれると本当に凄くずれて聴こえたりするので、めちゃめちゃ勉強になりました。 ――ロックの歪んだ音やタイトな打拍が混じると、正確なリズムとは少しずれていた方が格好良かったりしますよね。アコースティックだとそうではない?  そうですよね。ロックバンドスタイルだとずれていたほうが格好良かったりするんですけど、アコースティックだとずれると気持ち悪くて。自分のギターもそうですし、ストロークひとつとっても難しいなと感じました。「こんな弾けないの?」みたいに感じたりすることもあったりして(笑)。やっぱり定期的にやりたいなというくらい、いいことだと思いました。 ――メンバーもそういった雰囲気だった?  そうですね、僕もけっこう激しく言いましたし。アコースティックになると求めるものも高くなって「何年やってんだよ」みたいな話とかも(笑)。セルフカバーなので「自分の曲だろ!」みたいな激しいやりとりも多少はあったんですけど、やっぱり普段からそれくらい真剣にやりとりをするくらいでいいんだろうなって思いました。

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