男の子の遊びに興味がない長男 「将来偏見の目で見られたら…」価値観を押し付けていた私を変えた姉の言葉
「トランスジェンダー」という言葉をご存知でしょうか。生まれつきの体の性別と本人が認識している性別が一致していない人のことをいいます。最近ではよく知られつつありますが、理解を示す人ばかりではありません。そのため、大切な人の性別と趣味・思考が一致していないとわかったとき、誰に相談していいのかわからず悩んでしまう人もいます。私の友人Tさん(関西在住・30代)もそういった1人でした。かつてTさんは息子のRくんが女の子が好きなものに興味を示すことにどう理解してあげるべきなのか悩んでいました。 【漫画】「親が必ず味方してあげないと」と諭されて…全編を読む
周りの男の子と同じ遊びに興味を示さなかった長男
Tさんには2人の息子がいます。長男はおっとりタイプ、次男は活発なタイプと2人は正反対の性格です。Tさんが長男Rくんの趣味・思考が女の子寄りだと気づいたのは、Rくんが3歳の頃でした。 Rくんは1歳の頃からプリンセスが主人公のアニメが好きだったのですが、当時Tさんはそのことについて深く考えていなかったようです。ところが、2歳になってもRくんのプリンセス好きは変わらず、周囲が戦隊ヒーローに憧れはじめる3歳になっても、Rくんはかわいいプリンセスのほうを好みました。保育園では周りの男の子はヒーローごっこを楽しんでいたそうですが、Rくんは女の子とおままごとやお人形遊びをしていたようです。 「どうして周りの男の子と同じ遊びに興味を示さないの?」と、ふと不安になったTさんは、Rくんに男の子向けのおもちゃをプレゼントしました。そのおもちゃに対し、弟のAくんは興味を示したのですが、お兄さんのRくんは一切興味を示さなかったといいます。Rくんが「買って」とおねだりするおもちゃは、女の子向けおもちゃばかりでした。 Tさんは「小学生になる頃には、趣味や思考は変わるかも」と深く考えないようにしましたが、昔気質のTさんの夫は「今のうちから男らしさを意識させないと、このままだとRが不安だ」と女の子のおもちゃをすべて隠しました。もちろんRくんは大号泣だったそうです。「どうしたらいいの?どうしてこの子は女の子向けのおもちゃを好むの?」とTさんは悩み続けました。