医師や看護師の“離職“も…ひっ迫する「大阪の医療現場」 人材不足に深刻な事態
残り1カ月となった、2020年。 新型コロナ第3波とのギリギリの戦いが続く大阪の医療現場で、人材不足に関わる深刻な事態が。
コロナ患者を専門に治療する十三市民病院で、4月以降、医師や看護師など、約30人がやめてしまったというのです。
その理由を、松井市長は、直接聞いていないとした上でこう述べました。
【松井市長】 「専門病床にすることで、非常にストレスも多かったでしょうし、それぞれの家庭環境もあるので、無理やりとどめおくこともできませんから」
人材不足や高齢患者が増え、介助にかかる負担が増えたことで、コロナ専用に確保できるとしていた90床は、一時60床に。 感染拡大が続く中、病床を90床にするために他の病院に影響が広がっています。
それが、十三市民病院と同じ、大阪市立病院機構が運営する市立総合医療センターです。
この病院に2年前、全国2カ所目としてできた、15歳から30代半ばのがん患者を専門に診る「AYA世代専用病棟」。ここから、看護師約15人を十三市民病院に移し、人材を確保するというのです。
このため、「AYA世代専用病棟」は一時閉鎖され、患者は、今月上旬をめどにセンター内の別の病棟に移り、治療を続けます。
総務課長は「治療面では、問題ないが、専門病棟だからできていた患者同士のつながりがなくなる」と話します。
一時閉鎖について、松井市長は。 【大阪市・松井市長】 「医療の質を下げているわけではありません。今のコロナの感染拡大状況で医療崩壊を起こさない形の答えを出しているところ」 この背景にあるのは、大阪府での感染の急拡大です。 11月30日、重症者が21人増え過去最多となる124人に、実際に運用している重症病床の使用率は実に86.7%にのぼりました。
また軽症と中等症病床は69.6%にのぼっていて、大阪府独自の基準「大阪モデル」の赤信号に近づきつつあります。
大阪府の吉村知事は、12月1日、「今の時点でかなり医療体制もひっ迫している。時短要請もしている最中なので、まずは12月11日までの期間に集中して感染症対策をとることで(感染者数を)抑えることを最優先に考えていきたい」と話しました。
カンテレ