手取り28万円の4人家族…恐ろしい「住宅ローン月額」で撃沈
40歳で家を買ったら「75歳まで払い続ける」恐ろしさ
住宅ローンの返済期間は、基本的に最長35年となっています。40歳で住まいを購入した人は75歳になるまでローンを支払い続ける必要があるのです。一方、ある程度高い給与収入があった人も、ローンの支払いを終える年齢まで高収入を保つことは非常に困難です。 2013年に施行された「改正高年齢者雇用安定法」により企業には65歳までの雇用が義務づけられましたが、定年年齢の引き上げや廃止を選択する企業は少なく、ほとんどの場合「継続雇用制度」が採用されています。従業員は60歳でいったん定年を迎え、その後は新たに再雇用されるという仕組みです。 再雇用に際しては給与体系が見直されるため、年収は定年前の半分程度に減額されるケースがほとんどです。「現役」時代の収入があれば余裕を持って住宅ローンを支払えた人も、収入が半分になると返済し続けるのは困難です。 さらに65歳で職を辞した後は年金が主な収入源となります。現役時代に比べていっそう所得が減ることになり、ローン返済に行き詰まる危険性が高まります。
手取り28万円の4人家族…「節約」を心がけたとしても
住宅ローンの返済に行き詰まって相談に来る人の多くは「返済不能かどうかわからない」という悩みを抱えています。家計が問題なく回っている人にはなぜそんなことになるのか理解しづらいかもしれませんが、[図表]のような状態が続くと、返済を続けられるかどうかが不明になっていきます。 [図表]の世帯の月間収支は8万円の赤字です。ただし1、2カ月このような状態が続いたからといって、「ローンの支払いを諦めて、すぐに家を処分しなければ」と決断する人はほとんどいません。 通常は「節約する」「ボーナスで赤字を補填する」などの策をとって、なんとか家計を成り立たせます。お小遣いを削減したり、スマホを格安スマホにして通信費を浮かせたりするなどの節約や、ボーナス月にクレジットを完済して通常月の負担を減らすなどの工夫で、なんとか乗り切ろうとするのです。 しかしながら、そういった工夫でどうにかできる余地はあまり大きくありません。