「特別な配慮」が生きづらさを生む場合も。「LGBTを受け入れよう」から「全ての性を尊重しよう」へ
埼玉県川越市にある最明寺で、LGBTQの啓発を目的とする「SAITAMA RAINBOW フェスティバル」が開催された。【BuzzFeed Japan/高橋李佳子】 「女の子だからピンク」「男の子だから泣かない」…子どもが言ったら、どう返す?
イベントは、川越市の後援のもと10月4日から約2カ月にわたって行われた。主催者の最明寺・レインボーさいたまの会・NPO法人にじの絲は、本堂のライトアップや映画鑑賞会、トークセッションなど、様々な企画を実施した。
拠点となった最明寺は、川越市がパートナーシップ宣誓制度を開始した今年の5月1日から、同性どうしの挙式サービスに乗り出している。「LGBTウェディング」をはじめ、このような性的マイノリティの支援活動に寺が取り組むのは珍しい。
副住職の千田明寛さんは、寺を「誰もが、どんな背景を抱えていても足繁く通える場所」にしたいという思いからイベントに踏み切ったと語る。
「日本のお寺は、どうしても葬式やお墓参りなど負のイメージが強いですよね。でもお寺というのは本来、人の生老病死、人が生まれてから死ぬまでトータルサポートができる場所であるべきだと思うんです」
イベントの反響で最も大きかった声も、やはり「寺でやることの意外性」だったそうだ。
「(寺でLGBTQ関連のイベントが行われるのは)大変珍しいです。何より、お寺の関係者を対象とした形ではなく、お寺が会場になっていることが重要だと思います」と話すのは、イベント最終日に講演を行った中島潤さん。
中島さんは、企業に勤めながら性的マイノリティに関する講演を数多く行う。SAITAMA RAINBOW フェスティバル最終日には、「『生と性』自分らしさを生きる」をテーマに登壇した。
「性別」から「性のあり方」へ
講演で中島さんは、「性=男と女。この当たり前をときほぐすために使えるツール」として、「ジェンダーブレッド・パーソン」を紹介した。
人型クッキーのジンジャーブレッドマンを土台に、多様な性のあり方を図解しているものだ。活動家・アーティスト・作家・コメディアンなど様々な顔を持つサム・キラーマンが提案した。