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あまのじゃくでありたい――佐野岳が目指す役者像、BiSHから学びも「感動を」:インタビュー

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 俳優・佐野岳が、映画『リスタートはただいまのあとで』(9月4日公開、井上竜太監督)に出演。長野県を舞台に、10年ぶりに田舎に戻った光臣(演・古川雄輝)と、農園で働く大和(演・竜星涼)が互いに大切な存在と気づき、惹かれていく心模様を描く。佐野は、大和の同級生で2人の間に立つ重要な役どころ、上田裕を演じる。佐野は、主演作ほか数々の作品に出演、その存在感で物語を彩ってきた。充実した役者人生は「もっと演じたい」という言葉に詰まっている。最近聴いている音楽はBiSH。彼女たちの音楽から学ぶこともあるという。それは何か。【取材=木村武雄】

役柄として生きるため

 『仮面ライダー鎧武/ガイム』に始まり、『下町ロケット』『仰げば尊し』『陸王』など数々の名作で存在感を示してきた。主演を務めた2018年公開の映画『ふたつの昨日と僕の未来』ではパラレルワールドの世界で揺れ動く主人公を好演した。  これまで演じてきた役柄もあってか、スポーティで硬派という印象が強い。自身も「自覚はある」と認識する。役柄のイメージがついて回ること自体は「好演した証」とも言えるが、過去には世間との見られ方と理想像に左右され苦しんだこともあった。しかし、経験を重ねることで順応できるようになり、今ではそうした印象にも「良い意味であまのじゃくでありたい。想像を覆すような面白いと思って頂けるように、一つ一つ誠実に演じていきたい」と胸を張る。  「良い意味で想像を覆す」それは本作にも表れている。「普段の自分に近い」とする今回の役どころは、農園で働く大和の同級生で、地元で商店を営む青年。その風貌は長髪に無精ひげ。これまでの役柄とはやや印象は異なる。「裕は、大事な登場人物でもあるので良いスパイスになればいいなと思い演じました」  役としてその物語を生きるため、普段からその土地に溶け込むことを心掛けている。早めに撮影現場に入り、しばらくその場所に立ち、その空気感を自身のなかに取り込む。もちろん方言も自分のものにする。  「地方ロケや撮影は大好きです。別の作品で愛媛に行ったときは2週間ぐらい滞在して、行きつけのお店も出来て、相席になった隣のおじさんとも仲良くなって。スペインに行ったときもその街自体が世界遺産でしたので、空き時間に自転車を借りて美術館に行ったり。もともとどこでも楽しめるタイプですが、普段は行けないですし、その空気を肌で感じるためにもその土地を散策するのは好きです」  本作では、撮影前に店の椅子に腰をかけてしばらく外を眺めた。「きっと裕は普段こうして外を眺めているんだろうなと思ってやっていました」。切り取られた日常をよりリアルに見せるための細部な役作り、そうしたこだわりが見える。それは使用する小道具にも表れる。  例えば大和と光臣が配達するシーン。「チーズかまぼこ」を食べて出迎える裕だが、その「チーズかまぼこ」は前日に監督に相談し、コンビニで購入したもの仕込んだという。日焼け止めを塗るシーンも佐野のアイデアだ。本作が初共演の古川も、佐野が何を仕掛けてくるか面白がっていたという。  また今回の撮影でも空き時間を利用してその土地を巡った。  「少し時間がありましたので美味しい蕎麦屋があると聞いて40分ぐらい離れたところに歩いて行きました。千曲川川沿いを歩いて店についてそこで10割そばを塩で食べて。水が綺麗だからつゆにつけなくても美味しくて。お土産も買って。途中足湯にも入って。もう一人旅のように満喫しました」  見聞も役に生きてくる。「そうしたことが説得力に変わるときがあると思うんです」  役柄に入り込めた瞬間は、その土地に馴染めていないという感覚が完全になくなったとき。「作品を観ている人が決めるものだと思いますが、自分自身としてはその場所にいたいと思った時です。その時点で好きになっている証しでもあります。それがないと入り込めていない。もちろん素直さが大事で無理矢理好きになることはないと思います。自然と好きになる、その時を待つことが大事だと思います。上田商店、今では可愛く見えます」  竜星涼とは映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』で共演している。佐野は葛葉紘汰/仮面ライダー鎧武、竜星涼は『獣電戦隊キョウリュウジャー』で桐生ダイゴ/キョウリュウレッドを演じ、悪を倒した。  「年齢も同い年で絡みやすくて。お互いアドリブを入れましたがすごく自然でした。現地に長い橋があって、500メートルぐらい離れているところからも涼だと分かって。涼は背も高いし、存在感もあるから、一人ランウェイ状態でしたね」  懐かしそうに笑む。

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