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上級モデルに匹敵? トヨタ「ヤリス」の新機能を総点検!

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マイナビニュース

トヨタ自動車の新型「ヤリス」は、コンパクトモデルでありながら上級モデルに匹敵するほど多彩な新機能と装備を搭載している。パンフレットを開けば、たくさんの「NEW!」の文字が目に入ってくるはずだ。今回はそれらを実際に試して感じたことを報告したい。 【写真】ステアリングも全自動! 新機能「駐車支援」の実力は? 2020年2月にデビューしたトヨタのコンパクトカー「ヤリス」。ハイブリッドとガソリンの2モデルを連れ出して行なった試乗レポートでは、スポーティーで燃費も素晴らしいという走りの印象をお伝えした。今回は新機能や初搭載となる装備にスポットを当てる。 トヨタ初の「GA-Bプラットフォーム」を採用 「もっといいクルマづくり」を実現するため、デザイン、走り、乗り心地といった基本性能を飛躍的に高め、グローバルなクルマづくりを行うというトヨタの構造改革「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)。この考え方で生み出されたプラットフォームは2015年の4代目「プリウス」から採用が始まり、「CH-R」、新型「カローラ」など中型クラス用の「GA-C」、「カムリ」や「RAV4」用の「GA-K」、「クラウン」、レクサス「LC」、同「LS」など大型車用の「GA-L」と、サイズ別の展開が進められてきた。今回の新型ヤリスが初めて採用したのが、日本の小型車である5ナンバー、Bセグメント用のプラットフォーム「GA-B」だ。 軽量、高剛性、低重心を共通の特徴とする新プラットフォームを採用した新型ヤリスのボディは全長3,940mm、全幅1,695mm、全高1,500mmと小さく、ルーフ後方部分を丸く絞り、リアフェンダー部をグイッと張り出した凝縮感のあるスタイリングが特徴的だ。先代に比べて車重は約50キロ軽く、ねじり剛性は30%強化されている。さらに重心は15mm、ドライビングポジションは20mm低くなった。 幅の狭い3気筒エンジンを搭載しているおかげで、乗り込んだ際の足元は広く、ペダル位置は最適化されている。シートは先代モデルより10mm外側に配置。これにより、37cmの小径ステアリングとペダルの位置関係も良好だ。その結果、ドライバーは正しい位置に座ることができるので、ペダル操作が楽になる上、右左折の際には、肩をシート背面につけたままで楽にステアリングを操作することができた。スポーツドライビングに対応可能な上、ロングドライブでも疲れが少なそうなドライビングポジションが取れる小型車は、これまでの国産車にあまりなかったと思う。 自動駐車の完成度は? ヤリスはミリ波レーダーと12個のソナー、単眼カメラを組み合わせた上級車並みの安全・運転支援システム「トヨタセーフティセンス」を搭載している。同システムの中で、ヤリスがトヨタ車として初めて採用したのが、駐車をサポートしてくれる高度駐車支援システム「アドバンストパーク(パノラミックビューモニター付き)」だ。さっそく広い公共駐車場で試してみた。 操作は簡単だ。駐車したい枠の近くにクルマを停めてセンターコンソールのアドバンストパークスイッチ(Pマーク)を押すと、モニター画面上に駐車できそうな枠がいくつか出てくるので、停めたい場所をタッチして決める(並列、縦列はこの時に選べる)。次に開始スイッチを押してやれば、あとはドライバーが画面の指示通りにシフト(ドライブとリバース)するだけで、ステアリングとアクセル、ブレーキの操作はクルマが行ってくれる。グルグルと回るステアリングの勢いは結構強いので、何かあって止めたい時はステアリングに触れず、ブレーキを踏んだ方がいい。 めでたく駐車枠内に停車し終えると、上空からぐるりと周囲を見回した映像の後、「アドバンストパークを終了しました」という文字とともに、正面から見た画面にズームインする。この時、モニターに映るヤリスの自慢げな顔つきがいい。 周囲にクルマがいない状況で何度か試した結果、駐車完了までにかかった時間の平均は並列駐車で40秒、縦列駐車で60秒といったところ。前後左右に引かれた他の枠にも侵入しつつ停車を行なっていたので、隣にクルマが止まっている場合だと、もう少し時間がかかるのかもしれない。面白かったのは縦列駐車時、一度枠内中央に入った後、少し道路側に停止位置を変更する動作を見せたところ。助手席のパッセンジャーが降車しやすいように配慮したプログラムなのか。ヤリス、なかなか親切だ。 「ターンチルトシート」で乗り降り楽々 ヤリスのフロントシートには、トヨタ初の便利な機能が2つ採用されている、その1つは、乗降の際にシートをターン(回転させる)&チルト(傾ける)させられる「ターンチルトシート」(オプション)だ。この機能を使えば両足をそろえたままスムーズに乗り降りができるし、足腰への負担も少なくなる。着物やスカート姿の女性、体の大きい人、高齢者などに優しい、便利な“おもてなし”装備といえる。 降りる時の操作は、①スライドレバーでシートをマーク位置(シートレールに描かれた白い線)まで移動させる、②ポップアップした回転レバーを引きながらシートを外側へ回転させる、③回転レバーから手を離し、中間ロック位置で足を車外に出す、④再び回転レバーを引きながら、回転が止まるまでシートを外側へ回してクルマを降りる、という流れになる。乗車時はその逆。途中で一旦シートの回転を止め、足の出し入れを先に行なうというのがミソで、一連の動作をスマートに行うには、ちょっと練習しておいた方がいいだろう。というのも、操作に慣れない筆者は肘でクラクションを押してしまうことがあったからだ。シートは回転しても車体に当たらないよう、座面右側下部がえぐられたようなデザインになっているが、座り心地に変わりはなかった。 もう1つは、運転席の「イージーリターン機能」(Zグレードに標準装備、Gグレードはオプション)だ。マニュアルシートでも好みのドライビングポジションを記憶させ、即座に復帰できるという機能である。記憶させるにはシートを一番前に移動させた後、スライドレバーで好みの位置にセットする。あとは、乗降車時にメモリーレバーを引きながらシートをスライドさせれば、前回の記憶位置に戻ってくれるのだ。通常のマニュアルシートのように、乗車するたびにシート位置を調整するというストレスが解消されるので、これもよく考えられた装備といえる。 ディスプレイオーディオも使ってみる 新型カローラから採用が始まったトヨタの「ディスプレイオーディオ」は、今回のヤリスにも搭載されている。そのままでは単なるオーディオ機器としての機能しかなく、ナビとして機能させるにはオプションの「TV+Apple CarPlay+Android Auto」(3万3,000円、6月からは標準装備の予定)や「T-Connectナビキット」(11万円)を購入する必要がある。試乗車にはどちらも装備されていたので、とりあえず音声認識でナビを設定してみた。 操作は簡単。ステアリングの左スポークにある音声ボタンを押すだけで、画面はAI音声のエージェントに切り替わり、ピッと鳴ったら行き先を告げるだけだ。この日の目的地である「富津岬(千葉県)に行きたい」といったらすぐに目的地を見つけてくれたし、お昼時に「近くでおいしいアナゴ料理を食べたい」といった際には、すぐ近くにあった名店を教えてくれた。 こうした音声によるサービスは、当初のものに比べて認識能力が抜群に上がっているようで、一発でこちらの言葉を認識してくれるのは気持ちがいい。有料オプションの「オペレーターサービス」(年間3,630円)や「オペレーターサービス Plus」(同6,050円)を利用すれば、レクサスやクラウンなどの上級車に乗った時と同じように、専任のオペレーターと直接会話することができて、レストランやホテルの検索だけでなく予約まで可能になる。 著者情報:原アキラ(ハラ・アキラ) 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。

原アキラ

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