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米国の「ワープ・スピード作戦」とは コロナワクチン開発へ、トランプ政権の命運かけたギャンブル?

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 各開発事業体は米国政府から10億ドルから20億ドル(約1070憶円から2140憶円)程度の投資を受けて、大規模な第3相試験および先行製造に着手する。またワープ・スピード作戦では財政支援だけでなく、HIVワクチンや他の感染症対策で構築してきた既存の臨床試験ネットワークを「COVID-19予防治験ネットワーク」に統合し、全米での大規模治験の実施を強力に支援する。その見返りとして、ワクチンが承認に至った際には、各社とも米国に1億回分のワクチン(オックスフォード大のワクチンは3億回分)を供給するという約束だ。  モデルナ社とファイザー社のワクチン候補は、それぞれ7月末に3万人を対象とする第3相ランダム化比較試験を開始した。またすでに英国やブラジルで5000人規模の第3相試験を行っているオックスフォード大のワクチン候補も、8月中に米国内で3万人規模の治験を開始する。残るワクチン候補も年内には第3相の治験を始める予定で、ノババックス社のワクチン候補はフジフイルム・ダイオシス・バイオテクノロジーズが受託して製造を始めている。

 ▽“魔法のワクチン”はない  ワープ・スピード作戦を率いるモンセフ・スラウイ博士は8月7日、ワクチンの入手に関して米国科学・工学・医学アカデミーの委員会で、ワクチンによっては2回接種が必要な可能性もあることから、3億回分ではなく、3億人分を調達すると説明。その上で、すべての量を調達するには2021年の半ばまでかかるという見通しを述べた。  選挙を有利に進めるために、トランプ大統領が早期のワクチン承認に政治的な圧力をかけるのではないかという憶測もあったが、スラウイ氏はFDAからは緊急使用の特別承認ではなく、通常の完全な承認を得るという考えを示した。スティーブン・ハーンFDA長官も「迅速に、しかし他の新薬承認と同じ基準で、科学とデータに基づき厳格な承認審査を行う」と、連邦議会の公聴会で証言している。  その一方で、ワクチンの有効性についてハーン長官は「最低でも50%の有効性」を求める考えを示している。接種を受けなかった人と比較して、接種した人の発病率が50%以上減少するという意味だ。これまでのワクチンで、最も有効性が高いのは麻疹(はしか)のワクチンで97%、インフルエンザのワクチンは平均で50%から60%。ただしインフルエンザの感染を完全に予防できなくても、ワクチン接種は症状を軽くする効果がある。

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