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米国の「ワープ・スピード作戦」とは コロナワクチン開発へ、トランプ政権の命運かけたギャンブル?

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 ロシアのプーチン大統領は8月11日、世界で初めて新型コロナウイルスのワクチンを登録したと発表した。しかし登録前の治験で接種を受けたのは100人以下。試験データも公開されておらず、有効性や安全性が十分に検証されたとは言い難い。一方、米国もワクチンの早期開発に向け「ワープ・スピード作戦」を展開している。普通なら実用化までに何年もかかるワクチン開発だが、100憶ドル(約1兆700億円)という巨額の政府投資と官民連携で、来年1月までにワクチンの実用化をめざす。一日も早い実用化に向けさまざまな工夫はしているものの、有効性と安全性を十分に確認するための治験計画や、米食品医薬品局(FDA)の審査基準に妥協はない。すでに2種類のワクチン候補が最終の大規模治験を開始し、今月中には3つ目のワクチン候補もそれに続く。新型コロナの感染抑制に苦戦する米国の命運は、真に有効かつ安全なワクチンの実用化にかかっている。(テキサス在住、ジャーナリスト=片瀬ケイ)

 ▽感染沈静化はワクチン頼みの米国  ワープ・スピード作戦は、新型コロナウイルスに対するワクチンや治療薬、診断薬の開発、製造を最速で進めるため、従来にないやり方で米国政府が強力に後押しするもの。このうちワクチン開発についてトランプ大統領は5月に、有効で安全なワクチンを来年1月までに3億回分用意するという目標を発表している。米国の人口は約3・3億人なので、大部分をカバーできる量である。  米国ではすでに550万人以上が新型コロナに感染し、死亡者数も世界で一番多い。米疾病対策センター(CDC)は、今の推移だと9月上旬までに死者が20万人に達すると予測している。個人主義が強く、社会的距離の確保やマスク着用が市民に徹底できない中では、感染の沈静化をワクチンに期待せざるを得ない状況だ。  ロシアが大規模治験を実施しないまま、新型コロナワクチンを登録したことで、拙速なワクチン開発を心配する人もいるだろう。が、米国のワープ・スピード作戦はワクチンの有効性や安全性確認では妥協することなく、有望なワクチン候補への巨額の財政投資と調整や事務手続きにかかる時間の短縮で、早期のワクチン実用化を目指すものだ。

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