Wリーグ連覇を目指す富士通、主将の宮澤夕貴が感じる進化「どんなメンタリティー、プレーができれば勝てるかを全員がわかっています」
若手の成長は「私個人としても楽しみですし、ファンの方にも楽しみにしてもらいたい」
今シーズン、Wリーグはレギュレーションを大きく変更。トップカテゴリーであるWプレミアは、昨シーズンの上位8チームで構成され、各チームと4回の総当たりとなる。昨シーズンまでのWリーグは大雑把にいえば戦力が二極化しており、上位が下位と対戦する時は30点差、40点差の試合も少なくなかった。しかし、「タフですよね」と宮澤が語るように、今シーズンはそういった大差の試合がかなり少なくなるだろう。 宮澤はこの大きな変化の影響を以下のように語る。「(これまでは)下位のチームが相手であれば、ベンチメンバーがステップアップできる場にもなっていました。相手が全て上位となると、今まで以上に全員の力が必要で、より頑張らないと負けしまう戦いがずっと続いていく。心身ともにさらにタフになると感じます」 また、レギュラーシーズン中に4度も対戦するとなると、お互いに相手の手の内を熟知した中での戦いとなる。その中で、宮澤は「その辺りはスマートにやっていきたいです。アジャスト合戦みたいになると思いますが、試合が終わってからだけでなく、試合中にアジャストできるようになっていきたい。チームとしてだけでなく、選手個々でそれができるようにしていきたいです」とよりチーム、個人としてもバスケIQが問われると考える。 宮澤自身は、かつて所属していたENEOSサンフラワーズで数々のタイトルを獲得しているが、冒頭で触れたように富士通としては昨シーズンが久しぶりの栄冠だった。この経験は、チームに次のようなプラス要素をもたらしていると宮澤は語る。「このメンバーで優勝できるんだという自信がつきました。それは、これまで優勝経験がなかった選手たちにとってはすごく大きなことだと思います。どんなメンタリティー、プレーができれば勝てるかを全員がわかっています。それによって『あのようにやれば勝てる』という雰囲気作りもみんなでやろうと意識できている。そこが変わりました。若手がどんどん成長してくれているのは私個人としても楽しみですし、ファンの方にも楽しみにしてもらいたいです」 Wプレミアとなって拮抗した試合が大幅に増加し、連覇への道はより険しいものとなる。安定した成績を残すためにチームの総合力が問われる中、複数のポジション、様々な役割をこなせる宮澤の存在はより大きくなってくる。
鈴木栄一