時計のプロが語る私的ベストウオッチ――時計評論家・並木浩一氏が選んだ2020年の5モデル
時計の評論家やジャーナリストに、2020年に発表された新作時計で特に気に入ったモデルを5本、セレクトしてもらった。トレンドを追い続けている彼らの意見からは、新たな発見や深い知識が得られるはずである。 【注目のオリス新型ダイバーズの画像を見る】 今回は、時計にまつわる著書を多数執筆されている並木浩一氏が選んだベストウオッチを紹介する。
【時計評論家・並木浩一氏】 桐蔭横浜大学教授、博士。『男はなぜ腕時計にこだわるのか』、『腕時計一生もの』、『腕時計のこだわり』など著書多数。
<私的ベストウオッチ 1>オーデマ ピゲ「リマスター01 オーデマ ピゲ クロノグラフ」
「クロニクル=年代記的な価値を持つ存在。バイメタル使いにカーフと、ディテールも心憎い。オールドファッションを装いながら実は一番格好いいという逆説的な美意識を体現する」
1943年製の傑作クロノグラフを現代的に再解釈
オーデマ ピゲ 「リマスター01 オーデマ ピゲ クロノグラフ」 Ref.26595SR.OO.A032VE.01 654万5000円 スペック:自動巻き(自社製Cal.4409)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(18Kピンクゴールドベゼル/シースルーバック)、カーフスキンストラップ。直径40mm(厚さ14.6mm)。2気圧防水。世界限定500本。
<私的ベストウオッチ 2>シャネル「J12・20」
「ジェンダーフリーなウィットが38mmに落とし込まれたアニバーサリーモデル。ファッショナブルさと注目度はコンプリケーション級。お洒落すぎて気後れしそうな時計を胸を張って着けることこそが勇気」
J12の誕生20周年を記念するリミテッドモデル
シャネル 「J12・20」 91万3000円 スペック:自動巻き(Cal.12.1)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。高耐性セラミック+ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径38mm。200m防水。世界限定2020本。
<私的ベストウオッチ 3>オリス「アクイス デイト キャリバー400」
「初めて手にしたとき、ベアリングを廃した自動巻きローター機構の謎を解くだけでたっぷり楽しめた。オリスは本気で機械式を進化させる気概があるし、それを楽しむ余裕もある」