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“市場主義者”たちがイ副会長の起訴を叫ぶ理由は?…「市場資本主義を守るため」

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ハンギョレ新聞

「韓国の資本市場の信頼度と公正性の根幹を揺るがした事件」

 金融市場に熟達した人たちも、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長を不起訴にすべきという検察捜査審議委員会の判断に反対の声を上げている。先月26日遅くに審議委員会の判断が出た直後、証券会社のアナリストやファンドマネージャー、専業投資者は、SNSに「でたらめだ」「あきれる」、さらに「これが国か」という断末魔の悲鳴のような短い意見を投稿した。同業の知人らで構成されたオンラインコミュニティはさらに揺れた。財閥改革や司法正義よりも収益率に敏感な彼らが“熱くなった”理由はなにか。  ある大手証券会社のアナリストは30日、ハンギョレに「合併比率、相場操作、粉飾会計のような事案は、市場と関連法すべてに対して精通した理解がなければ、完全に判断するのは難しい。サムスンバイオロジクスの粉飾会計疑惑を金融委員会が確定する過程も1年以上かかり、真剣な討論を経た」とし、「事件の複雑な内容を理解するのが難しい審議委員らが捜査もするなという判断を下したのは、到底納得がいかない」と語った。彼は不利益を被ることがありうるとして匿名を要請しながらも「資本市場で数年やってきた人なら同じような考えだろう」とし、「最低限、提起された疑惑に対する裁判は行われなければならないと思う」と述べた。ある資産運用会社でバリュー投資戦略を駆使するファンドマネージャーは「イ副会長が受けている疑惑は、グループの支配構造と経営権継承に密接に関係している」とし、「このような事案をいい加減に取り扱うのなら、バリュー投資戦略は韓国社会では立場を失う」と愚痴をこぼした。  この日韓国企業ガバナンスフォーラムがソウル中区(チュング)のプレスセンターで行った記者会見でも、このような投資業界の感情がそのままにじみ出ていた。このフォーラムは、資本市場に直接参加していたり関連分野に携わっている投資者や法律家、学者により構成されている。会見も審議委員会の勧告が出た直後のオンラインコミュニティで「何かしなきゃならないのではないか」という会員たちの声が上がり、その結果がこの日の会見だった。フォーラムのある役員は「企業支配構造の改善を通じて韓国の資本市場をアップグレードしなければならないという目標を持つフォーラムが、この件に関して沈黙し続けることはできなかった」と述べた。  彼らが発表した立場文は、投資業界の不満と懸念をより明瞭に書いた表現があふれる。「(イ副会長の事件は)資本市場と会計処理に関する深い理解と知識、経験がなければ判断は極めて難しい」「審議委員会の結論は、サムスンがかなり前から緻密に準備してきた世論戦の成果物にしか見えない」「粉飾会計で起訴すらされないのなら、危機の終りではなく、新たな始まりになるだろう」「審議委員会の決定は、韓国の資本主義を過去に後戻りさせる重要な契機になるだろう」「イ副会長に対する免罪符は、便法継承(正規の手順に従わずに経営権を相続すること)を計画する数多くの財閥2世・3世に対して免罪符を与えることであり、不法行為を助長することだ」「不起訴はコリア・ディスカウントをさらに悪化させるだろう」  会見では、サムスンと財界から流れるイ副会長擁護の主張に対して反論する主張も上がった。フォーラム代表のユ・ヨンジェ氏は「サムスンのレベルの企業は、すでにオーナー一人の個人技で方向性が決まる水準をはるかに飛び越えている。サムスンは経営がシステム化されており、傑出した専門経営者も多い」と述べた。イ副会長が起訴された場合、サムスンの経営が萎縮しかねないという一部の主張に対する反論だ。スカイ投資諮問のキム・ギュシク顧問(弁護士)は「資本市場が公正に作動してこそ、資源が生産性の高い方向に流れる。資本市場のガバナンス(支配構造)が正常に作動しなければ、資源配分に歪曲をもたらし、市場と経済の成長に制約をかける」と述べた。オーナーと企業を同一視し、オーナーがうまく行けば、企業をはじめ国の経済も良くなるという世間の認識に対する批判だ。 ソンチェ・ギョンファ、キム・ギョンナク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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