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【スポーツ】×【SDGs】の未来像とは ?

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みんなの2020

2020年東京五輪・パラリンピックの開幕までいよいよ1年を切りました。今大会は、夏季五輪としては初めて、本格的に「*国連持続可能な開発目標(SDGs)」を踏まえた大会となります。SDGs時代にふさわしいサステナビリティ(持続可能なあり方)を織り込んだ五輪・パラリンピックを、東京2020大会ではどのように作り上げようとしているのでしょうか。 *持続可能な社会をつくるために世界各国が合意した17の目標と169のターゲットで構成され、貧困問題をはじめ、気候変動や生物多様性、エネルギーなど、持続可能な社会をつくるために世界が一致して取り組むべきビジョンや課題が網羅されています。

メダルも選手村も表彰台も「リサイクル資源」で

東京五輪・パラリンピック組織委員会(組織委)は2018年6月、今大会の持続可能性コンセプト「Be better, together~より良い未来へ、ともに進もう~」を発表。SDGsの17目標とも連動するよう、以下の5つの主要テーマを掲げました。 (1) 脱炭素社会の実現に向けて(気候変動目標13) (2) 資源を一切ムダにしない(資源管理目標12) (3) 自然共生都市の実現(大気、水、緑、生物多様性等目標14、15) (4) 多様性の祝祭(人権、労働、公正な事業慣行等目標5、8) (5) パートナーシップによる大会づくり(参加、協働、情報発信目標17) 「(現時点の日本の取り組みについては)総合評価は60点ぐらいかな。2020東京大会での象徴的な取り組みを俯瞰(ふかん)すると、21世紀の持続可能な社会をイメージできるように取り組んできて、ここにきてようやく形になってきました」

2020東京大会のサステナビリティに関する取り組みをリードする2020東京組織委員会街づくり・持続可能性委員会の小宮山宏委員長(株式会社三菱総合研究所理事長)は、このように総括します。とりわけ、日本の得意とする、限られた資源を有効に活用する「資源管理」では、これまでの大会にはなかった象徴的な取り組みが目立ちます。 例えば、今大会で授与される金銀銅メダルをリサイクル金属で制作する「みんなのメダルプロジェクト(※1)」。すでに日本全国1万3000カ所以上に回収ボックスを設置して小型家電を回収し、すべてのメダル制作に必要な金属を確保することができました。その過程では、リサイクル企業のリネットジャパン(本社名古屋市)がパソコンや携帯電話を宅配便で回収し、機器に残されたデータも消去するサービスをつくるなど、ベンチャー企業による新たなビジネスモデルも生まれました。 これに加えて、競技会場など大会関連施設の鉄筋や鉄骨の77%にリサイクル鉄(電炉鋼材)が使われることになりました。鉄スクラップからつくるリサイクル鉄は、鉄鉱石からつくる高炉鋼材に比べて、製造時のCO2排出量が約4分の1にとどまるため、大会全体のCO2排出削減に貢献できるのです。 日本国内で使われるリサイクル鉄の比率は全体の約2割。2012年ロンドン大会では欧州での通常の電炉比率とほぼ同じ約4割であったことを考えると、リサイクル鉄の使用率が8割近くなるのは画期的と言えます。 小宮山委員長は「日本では、自動車にしてもビルにしても、もはや鉄の蓄積量は飽和しています。鉄鋼石を新たに掘る必要はない。鉄を捨てずに再利用する『都市鉱山』が、21世紀の資源利用のあり方なのです。みんなのメダルプロジェクトとリサイクル鉄の使用比率の増加によって、都市鉱山を象徴的に具体化できました」と振り返ります。

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