【50代の不調対策】「頭痛をあきらめない!」あなたの頭痛はどのタイプ?
頭痛があって当たり前と思っていないだろうか?実はその痛み、ちょっとした工夫で治せるものかもしれない。4回にわたってお届けする「頭痛をあきらめない!」処方箋では、頭痛のタイプや要因、セルフケアをご紹介する。まずは自分の頭痛を知ることが、改善の第一歩! 今回は頭痛にはどんなタイプがあるのかを頭痛専門医 五十嵐久佳さんに聞いた。 「私の頭痛外来にも多くの女性がやってきます。しかし、受診するのは頭痛持ち全体のわずか3割といわれています。つまり7割は痛みが起こっても“つき合っていくしかないもの”とあきらめているのです。しかし一度、治療で頭痛が改善すれば、その快適さに感激しますよ」 中には「頭痛が当たり前だった今までの数十年間をやり直したい!」と言う人もいるそう。 「原因となるほかの病気がない頭痛を一次性頭痛(慢性頭痛)といいます。それにもタイプがあり、薬の種類や対処法が異なります。例えば、緊張型頭痛は筋肉の血流が悪くなることで、片頭痛は脳の血管が拡張することで起こります。よって、緊張型は入浴や体操で改善するのに対し、片頭痛は痛みのあるときに行うと悪化してしまいます」 まずは自分の頭痛はどれなのかを知ることが第一歩。正しく対処して、頭痛のない快適な生活を取り戻して!
あなたの頭痛はどのタイプ?
改善は自分の頭痛タイプを知ることから。また、命にかかわる危険な頭痛もあるのでチェックしておこう。 ●片頭痛…ズキンズキンと波打つ痛み 脳血管をとり巻く三叉神経(さんさしんけい)の刺激により、血管が拡張して起こる。特にストレスから解放されたタイミングや、エストロゲンが減る月経前・中や更年期に増える傾向が。痛むときは薬で抑え、患部を冷やし、光や騒音を避けて安静に。 〈症状〉 □頭の片側か両側が、脈を打つように痛む □月に2~4回発症する □光や音が気になったり、吐き気がする □頭痛のときに体を動かすとひどくなる ●緊張型頭痛…ギューッと締めつけられる痛み 同じ姿勢を続けたり、精神的ストレスなどで、筋肉や神経が緊張し、血流が悪くなることが原因。ストレスを受けているときや疲れたときに痛む傾向が。ストレッチやマッサージ、入浴、患部を温めるなどで、血行改善を心がけて。 〈症状〉 □頭全体が締めつけられる痛み □首や肩のこりを伴う □疲れやストレスがあるときに起こる □入浴や軽い運動で軽くなる ●片頭痛と緊張型頭痛の合併…女性に多く、つねに頭が重痛い 片頭痛と緊張型の両方を持つ人もいる。普段から頭が重くすっきりしない状態が続き、月経中などに波打つような強い痛みがあるケースなど。 〈症状〉 □片頭痛と緊張型頭痛の特徴がある □頭痛のない日が少ない ●群発頭痛…特定の時期だけ激痛が起こる 片側の目の奥からこめかみにかけて、目をえぐられるように激しく痛む。季節の変わり目などの1~2カ月間、毎日のように、1回1~2時間続く。痛みがある時期には医療機関を受診して、適切な治療を。飲酒を避けることも大切。 〈症状〉 □ある期間、ある時間帯に激痛がある □それが過ぎると治まる □痛む側の目の充血、涙が出る □痛む側の鼻水、鼻づまりがある ●命にかかわる危険な頭痛…嘔吐や手足のまひを併発 ある日突然、経験したことのない激痛を感じたら要注意。バットで殴られたような激痛なら「くも膜下出血」、手足のまひ、ろれつが回らないなら「脳腫瘍」「脳出血」かも。一刻も早く病院へ! 〈症状〉 □経験したことのない激痛 □嘔吐、手足のまひ、意識混濁がある ●その他の頭痛…ほかの疾患からくるものも! 片側の頬や口のまわりが痛む「三叉神経痛」、頭を保護する髄液の不足で起こる「低髄圧による頭痛」、ほかに、目や鼻の病気、歯のかみ合わせ不良、うつ病からくる頭痛なども。これらは元の疾患を治療するのが先決だ。 あなたの頭痛タイプは見つかっただろうか? 頭痛外来では頭痛のタイプに合わせて適切な治療が行われるので、気になる痛みがある方は一度受診してみるのもいいだろう。次回は痛みを助長する要因についてお伝えしよう。 今回の話を伺った先生 五十嵐久佳さん 頭痛専門医。「富士通クリニック」「東京クリニック」で頭痛外来を担当。日本頭痛学会理事を務めながら、頭痛専門医を育成、頭痛医療の研究と成果を国内外に発表 イラスト/しおたまこ 構成・原文/山村浩子