“撮って出し”もやっぱり良い。「ライカQ3 43」は初心者から玄人まで満足できる稀有なカメラだ
【趣味カメラの世界 #10】
「趣味カメラ」連載も今回でいよいよ10回目。スマホ全盛時代だからこそ、本連載の意義(のようなもの)を日々実感しています。今回は、前回の記事に引き続き、「ライカQ3 43」をフォトグラファーの田中さんに深掘りしてもらいました。 【ライカQ3 43で撮影し、「Leica Looks」の「Classic」を適用した屋外スナップ】 前回の記事では、「ライカQ3 43」の重厚な作りと、高性能なレンズやセンサーによる美しい描写力に感動したと紹介しましたが、実はこのカメラの魅力はまだまだ奥が深いんです。 特に、RAW現像なしでもSNS映えする写真に仕上がる「Leica Looks」に注目! スマートフォンアプリを使えば簡単に、撮影した写真をSNSにアップロード可能です。今回は、JPEG撮影に個性をプラスする「Leica Looks」にフォーカスします。
スマホへの導線も万全。ライカ専用アプリ「Leica FOTOS」を使いこなす!
ライカ専用アプリ「Leica FOTOS」を使えば、簡単にスマートフォンとカメラを接続し、写真を転送できます。転送はJPEGだけでなくRAWにも対応しており、LightroomなどのRAW現像アプリにインポートして、スマホだけで自分好みの現像が可能です。 また、リモート撮影機能も搭載しており、今どきのカメラ連携アプリに求められる機能をひと通り備えています。 そんな便利なアプリですが、今回注目したいのは「Leica Looks」。撮影した写真にライカ独自のルック(フィルター)を適用できる機能です。アプリから好みのルックをカメラに転送して簡単に使用できます。 カメラに転送したルックは、撮影時に選択できるだけでなく、撮影しながらルックの効果をリアルタイムで確認することが可能。 被写体やシーンに合わせてルックを変更しながらの撮影は非常に楽しく、多彩なシチュエーションで試してみたので、作例とともにご紹介します。
撮って出しで勝負するなら、「Leica Looks」で“自分好みの写真”を追求しよう
スマホから転送可能なルック(フィルター)には、「Chrome」「Eternal」「Contemporary」「Classic」「Blue」「Selenium」「Sepia」の7種類がありますが、カメラに転送できるのは6種類のみ。ただし、スマホと接続すれば簡単に入れ替えが可能なため、必要に応じてルックを切り替えられます。 また、カメラにはプリインストールされたCore Looksが5種類あるため、これらを含めて幅広いルックの変化を手軽に楽しむことができます。 作例を撮影していて特に気に入ったのは「Eternal」です。コントラストと彩度が高く、最初は少し使いづらい印象でしたが、明暗差のあるシーンでのスナップ撮影と相性が良く、より印象的で雰囲気のある仕上がりを楽しめました。 赤系の色味が印象的で、画面内に赤いものがあると特に映えます。高彩度でコントラストの強い画は、モダンな印象を与えつつ、どこかポジフィルムを思わせるような懐かしさも感じさせます。 ポートレートの場合、肌の色味に独特の癖が出ることがあります。使えないわけではありませんが、人物をメインの被写体とする際には、色味を確認しながら撮影すると、より満足のいく仕上がりになると感じました。