【映像】米国の「核のフットボール」 大統領軍事顧問が常に携行
ジョー・バイデン氏の合衆国大統領就任式が行われる首都ワシントンの連邦議会議事堂に、軍事顧問の手で運び込まれる「核のフットボール」と呼ばれる、大統領が核攻撃の許可を出せる各種道具が入った黒いブリーフケース。 通常の新旧大統領の交代であれば、核のフットボールの受け渡しは簡単だ。退任する前大統領の顧問が、就任する新大統領の顧問にブリーフケースを手渡すだけで、受け渡しは完了する。 しかし、今年はトランプ前大統領がバイデン新大統領の就任式への出席を拒んだため、直接の受け渡しができなくなった。 なぜなら、正午にバイデン次期大統領の宣誓式が始まる前に、仮にトランプ現大統領が「核攻撃を行う」と決断した場合に備えて、軍事顧問がブリーフケースをフロリダに持ち運んでいるからだ。 しかし、ワシントンの就任式会場で待機する顧問が、異なった認証コードが入った別のブリーフケースを携行しており、正午きっかりにトランプ前大統領のブリーフケースのコードが無効化され、同時にバイデン新大統領のコードが有効になって、変則的な受け渡しが完了する。 ちなみに、大統領に随伴する軍事顧問が携行する核のフットボールの他に、常時副大統領の元にも別の核のフットボールを持った軍事顧問がいることになっている。 (アメリカ、ワシントン、1月21日、映像:Mike DeBonis/Washington Post via Storyful/アフロ)