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8割おじさん・西浦教授が語る「コロナ新事実」

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東洋経済オンライン

政府は5月25日、残された東京など5都道県を含めて、緊急事態宣言の全面解除を決めた。3月下旬~4月中旬に高まった大規模な感染拡大の危機をいったんは封じ込めた形だ。 だが、感染症の流行を研究する数理疫学の最先端では、最近、従来の見方を変える新たな研究結果が出始め、それが海外の新型コロナウイルス対策を大転換させかねない状況になっていると、政府専門家会議のメンバーである西浦博・北海道大学教授は言う。 接触8割削減を提唱し、「8割おじさん」としても知られる西浦教授がいま、国民にいちばん伝えたいことを語った全2回のインタビュー。前編は、疫学研究と新型コロナ対策の最前線について。後編「夏以降にコロナ『ワクチン』の成否は見えてくる」は5月27日に公開を予定する。(インタビューは5月18日に実施) 【図】再生産数と集団免疫率の関係など

 ――新型コロナウイルスの流行状況を理解するために、現在、多くの国民が報道などを通じて実効再生産数について学んでいますね。  2009年に新型インフルエンザの流行があったとき、初めて日本の全国紙の一面記事に再生産数という言葉が登場した。それから10年ちょっと経って、今回の新型コロナでここまで広く詳しく論じられるようになったのは、画期的なことだと思っている。 ■重大な責任負う実効再生産数という指標 ――改めて話せば、基本再生産数は、すべての人が免疫を持たず感受性を持つときの、1人の感染者が生み出す2次(新規)感染者の平均値。いわば、病原体の素の感染力を示すものです。これに対して実効再生産数は、実際に1人の感染者が生み出している2次感染者の平均値で、さまざまな現実の対策の影響を受けているものと位置づけられます(詳細は4月22日付「科学が示す『コロナ長期化』という確実な将来」を参照)。

 現在、実効再生産数が重要になっているのは、ウイルスの流行がダイナミックに上下するからだ。行動制限によって新規感染者を減らせることは画期的であるし、今後、行動制限を緩和していくときに新規感染が増えることもあるため、再び対策を引き締めるときにも使われる。非常に重大な責任をこの指標は負っている。  ――細かく言えば、実効再生産数の定義や計算の仕方はいろいろありますね。  各国の研究機関や政府が実効再生産数を推計しているが、どれも基本には忠実で、いわゆる「トンデモ」や実践で使えないというものはない。私の属する数理疫学の研究者集団は世界的にもそんなに大きくなく、アクティブに活動しているのは200~300人くらいだ。研究者間で知り合いも多い。

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