心の負担を軽くする、失敗をひきずらない方法
人間関係の悩みやストレス、不安を抱えている人は多い。「緊張で心臓のドキドキが止まらない」「失敗したらどうしようと不安になる」「本番に弱い自分が嫌いだ」、そんな自分を変える元刑事のメンタル強化術『刑事(デカ)メンタル 絶体絶命のピンチでちびってしまう人でも動じないハートが手に入る!』を紹介。刑事生活20年。ガサ入れ、犯人確保、張り込み……修羅場という修羅場を潜り抜けてきた元警部による「心を強く保つ習慣」です。常に死と隣り合わせの環境下で巨悪と戦い、人を疑い、時には一般人に罵倒されながらも正常な心持ちで戦うために開発してきた、圧倒的自信と活力が楽しく備わる最強メンタルメソッドを手に入れてください。 ● 失敗を笑い話に変えよう 人間は誰しも失敗をする。もちろん刑事だって失敗をすることがある。 30年以上前の話なので時効だから書こう。それはオレが見習い刑事の頃だった。 聞き込み捜査中のランチで寄ったラーメン屋が舞台だ。スーツの上着を店内に忘れたのだ。いや、上着だけならよかったが、内ポケットにはなんと警察手帳が入っていたのだ。 上着を忘れたことを思い出した瞬間、頭が真っ白になった。 「まずい!!」 捜査用車両でかっとばしてラーメン屋に戻った。その道中、同僚は「大丈夫ですよ。ありますよ」と気楽なもんだ。上着はそのままの状態で座敷に置いてあった。 すぐに上着をまさぐると、警察手帳は無事だった。 「うわ、よかったぁ……(涙)」 警察手帳が他人の手に渡り悪用されたら、懲戒処分では済まず、世間にさらされる可能性がある。 「もし警察手帳を利用して誘拐事件が起きたら、強盗に入られたら……」 どれだけ大変かわかってもらえるだろう。 この失敗は後に語り草ぐさになり、刑事仲間の間では笑い話として話すようになった。なくなっていたら……そんな話はしたくない。 そう。失敗とはたいてい笑い話になるものばかりだ。あなたが間抜けだから失敗するのだ。笑い話にしてしまうと心の負担は軽くなる。 失敗したら誰かに面白おかしく話してみたらいい。心が晴れるはずだ。
森 透匡