キラキラネーム(5月25日)
「海」を「まりん」と読ませ、「そら」には「大空」の字を充てる。いわゆる「キラキラネーム」と呼ばれる個性的な子どもの名前が増えている。最近の先生の悩みの一つという▼名前の自由な読み方を、どこまで許容するか-。法制審議会の部会が三つの案を示した。音訓読みや慣用で使われ、漢字の意味と関連がある「大空」を「すかい」、「光宙」を「ぴかちゅう」、「騎士」を「ないと」と読ませるのは認められる可能性があるという▼わが子にどんな名前を付けるかは、親が最初に直面する難題でもある。画数の善しあしなどを記した本を熟読し、家族や知人にも相談する。期限ぎりぎりまで悩み、窓口に届け出た人も多いに違いない。新語を巧みに生み、使いこなす若者世代は、どんな願いを込めて新種の名前を編み出すだろう▼キラキラネームが広がれば、個人名の全てに読み仮名が付く社会になるのか。〈謎解きの様な名前の子が増えそう〉。本紙の時事川柳にあった。名前の解き明かしが、あいさつの入り口になる時代もおそらく来よう。多くのぴかちゅうさん、すかいさんらが活躍する近未来を想像してみる。古い世代には、何ともまぶしい。