【新しい部活動】熊本市独自で中学校部活動を『地域への移行』ではなく『地域との連携』で継続 『人材バンク』を設置し希望する教職員や指導者を任用へ
熊本市の中学校における部活動について、『地域への移行』ではなく『地域と連携』して部活動を続けていく、熊本市独自のあり方をまとめた素案が公表された。熊本市教委独自の学校部活動のあり方をめぐって、熊本市議会では質疑が交わされた。 【画像】熊本市独自の『新しい部活動』の素案
熊本市独自の『新しい部活動』の素案
国は、少子化や教員の働き方改革などを受けて、中学校の部活動を地域のクラブや団体などに移す取り組み、いわゆる『部活動の地域移行』を段階的に進めている。 しかし熊本市では、格差のない体験の機会や仲間・指導者との出会いの場など、部活動に教育的意義があることから、地域と連携しながら部活動を継続させる『新しい学校部活動』をすすめる方針で、11月28日の教育委員会会議で『新しい学校部活動のあり方』の素案を発表した。 教職員の負担が課題とされているが、熊本市では希望者のみが指導を行う形となり、それに対して適正な報酬が支払われるほか、教職員のみに頼らない幅広い人材確保のため、今後『人材バンク』を設置する。
『新しい部活動』は2027年度スタート予定
各家庭に求める金銭面での負担は、週5回の活動で月3000円ほどとなり、経済的に支援が必要な家庭などについては、援助するとしている。 今後は、企業が部活動を財政面で支援する制度を構築したりする予定で、2025年3月の教育委員会会議での議決を経て、正式に熊本市の方針が決定する見通し。 熊本市教委の素案によると、この『新しい部活動』は2027年度中にスタート。指導者の人材バンクを設置し、希望する教員のほか、民間からも募り、全ての指導者に報酬を支払うとしている。 報酬は顧問が時給1600円、副顧問が時給1000円で検討中。熊本市の教職員などの任用方法は調整中としているが、人材バンクが教職員を任用し、報酬を支払う制度を検討しているという。
『新しい部活動』もしもの時の責任は
12月4日の熊本市議会の一般質問で山内勝志議員(市民連合)は「どうしても避けて通れない問題として責任の所在がある。人材バンクに登録された指導者の下で起こった事故について、最終的な責任はどこにあるのか」と、執行部に質した。 熊本市の遠藤洋路教育長は「人材バンクで雇用された指導者であっても、発生した事故等については、従来通り市が責任を負うことになる。人材バンクで雇用する市教職員や市職員の指導者が体罰等の不祥事を起こした場合は、雇用主である人材バンクが懲戒権を持つこととなるが、教職員や市職員としての懲戒処分は事案ごとに検討する」と指針を明らかにした。 部活動の充実と教職員の働き方改革の両立を目指す熊本市教委の新しい取り組み。遠藤教育長は2024年度中に決定したいと述べた。 (テレビ熊本)
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