【実力派ショップを巡る、東京古着案内】実店舗よりも充実 ウェブ限定の古着屋3軒
東京古着の最前線といえる、群雄ひしめく実力派の古着屋をご紹介。今回はオンライン上だけに存在する話題のショップを3軒ピックアップした。さらに、本も取り扱う古着屋4軒がそれぞれ選んだ、店のコンセプトにも通ずるという珠玉の一冊を紹介しよう。 【続きを読む】人気ショップが選ぶ名著4選
オアノット ──年代物の欧州古着と、デッドストックに注力。
「オアノット」は、デザイナーの作品を消費するのではなく循環させることで、ファッション業界をサステイナブルな構造へと変化させることを目的にするプラットフォームだ。提携を結んだ国内のショップの商品をウェブサイト上で全世界に向けて販売。その数はウイメンズアイテムを含め約550ブランド、計10万点にものぼる。 デザイナーズ・アーカイブだけに特化してこれだけの点数を取り扱っているのは、世界広しといえどオアノットだけだろう。真贋問題と常に隣り合わせであるデザイナーズ・アーカイブの特性上、厳しい審査を通過したショップのみと提携しており、偽物をつかまされる心配もないのでご安心を。
ポスト ジャンク ──ブラウザから直感で探す、自分だけの一着。
「ポストジャンク」というショップ名が指す通り、ここで提案しているのは、ガラクタとなって時間が経過した後でもなお伝わる魅力や核をもつアイテム。年代やブランドよりもルーツやバックボーンに重きを置くオーナーが考える、いい古着の条件は次の3つだ。現代のファッショントレンドや空気感に即していること。時代が変わろうとも光り続ける、確固たる核があること。奇をてらわないユニークさをもちつつ、あくまでも着たいと思わせるカッコよさがあること。価値の判断基準が明確になっている古着市場において、その視点はまるで個性派セレクトショップのよう。自分だけの一着が欲しいという本気の古着好きにとっては、もってこいのショップなのだ。
サムシングハプンス ──実店舗より情報が詰まった、贅沢な買物体験。
ウェブオンリーの販売手段を選んだ理由をオーナーは、「オンラインであれば、普段の買い物では見逃してしまう、知識がないと気づかないディテールや特徴を余すことなく提供できるから」と語る。いまでは入手困難なデッドストックから廃棄寸前のダメージものまでが揃っている。サイト上に並ぶ、ていねいに撮影されたディテールカットを見れば、そのアイテムのコンディションが正確にわかる。そこから飛ぶブログを読めば、どういうシチュエーションで見つかったか、誰が所有していたか。またなぜこんなダメージがあるのかといった背景を知ることができ、より愛着が増す。「届いたら想像と違った」なんてネット通販特有の懸念は、「サムシングハプンス」に対しては必要なし。
写真:高橋えりな 編集&文:帯刀憲一郎