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「不倫よりもセックスレスのほうが罪」──もちろん、ステレオタイプかもしれない。だが、「フランス人は性生活を重視する」というイメージは根深い。そしてそのイメージは、フランス人にとっても同じ（だった）ようだ。いま、フランス人がそんな「普通」のカップル像から脱却しようとしているという。 【画像】インスタグラムの「セックス・エキスパート」たちの投稿 2000年代──レストランのテーブルを囲んで５人のパリジェンヌが性生活を語っている。「週に何度もセックスしてる」、「私たちも。大好きなの！」、「逆立ちでもやったんだから」……。20年後、彼女たちは笑う。「普通じゃないと思われないように、皆多かれ少なかれ嘘をついてたんです」。メンバーの一人、教師であるジャンヌは言う。 当時は「パフォーマンス崇拝」が夜の生活までも支配していた。メディアや専門家たちは、激しい性生活を送るようにと繰り返し促した。ある年の「エル」誌の表紙はこうだった。「あなたはビッチ？　こっそりできる衝撃テスト」。また別の表紙は「フェラチオこそカップルの基盤」だった。 すべてのフランス人がそうであるように、冒頭のパリジェンヌたちもそう確信していた。だから「『普通』でいるためには、体位や方法をいろいろと変え、週に何度もセックスしなければなりませんでした……」とジャンヌは回想する。でも、いまは？　「もう気になりません。好きなときに好きなことをするだけ」 オーガズムなど、ぜひとも忘れてしまおう。サーカス団のようなアクロバティックな行為も、もはや過去のこと。定期的なセックスというプレッシャーもなし。2024年2月に発表された仏世論研究所（Ifop）の調査によれば、性交渉の回数が週に1回と回答した人の割合は、2009年では58％だったが、2023年には43％に減少し、誰もそれを気にかけている様子はない。女性の69％、男性の48％がセックスのない生活も平気だと答えている。