~実録・闘病体験記~ 「病気は不幸」ではない。脊髄髄膜瘤と生きるヨガインストラクター
脊髄髄膜瘤(せきずいずいまくりゅう)は、胎児期に発症する疾患です。出生時から障害とともに生きるということは、本人にとって果たして不幸なのでしょうか? 周囲からそう思われることを本人はどう感じているのでしょうか? 体験者ならではの視点から、闘病中の様子や周囲に対する想いについて、話を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年9月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
生まれた時から、これが普通でした
編集部: 生まれた時からすでに脊髄髄膜瘤があったそうですね。 ロミさん: はい。生まれてすぐ、背中に大きなコブ状の膨らみがあり、脊髄髄膜瘤の診断を受けたそうです。産院から総合病院、さらに小児脳神経外科の専門病院を紹介されました。 編集部: 症状がさまざまな疾患だそうですね? ロミさん: この病気は脊髄のどの部位に発症するかで症状にかなり違いがあります。私の場合、第五腰椎での発症で、膀胱尿管逆流症があったため、高頻度で腎盂腎炎(じんうじんえん:腎臓に細菌が感染する病気)を繰り返しました。腎臓に負担がかかりすぎると、腎不全になり人工透析治療が必要になる恐れがあったため、小学校の春休み中に膀胱尿管逆流症の手術をしました。 編集部: 病気を調べるためにどのような検査を行ったか、聞いていますか? ロミさん: おそらくですが、MRIやCT検査だったと思います。 編集部: 自身で脊髄髄膜瘤を実感したときの心境を教えてください。 ロミさん: 幼少期から入院や検査は日常生活の一部であり、普通のことでした。ただ、術後の抜糸時に泣き叫ぶ私を、ドアのそばから心配そうに見つめる母の姿は今でも目に焼き付いています。また、幼稚園や小学校で母に付き添われていることを質問されたり、別のトイレを使ったりしているうちに、「皆とは違うんだ」と自覚しはじめました。幼いながら、周囲から何か言われることや注目されることがすごく嫌だった記憶があります。 編集部: どのように治療を進めていくことになりましたか? ロミさん: 生後すぐに、脊髄から飛び出た神経の処理と感染を予防する手術を受けました。その後も追加切除の手術で入院しました。脊髄の末端が周囲組織に癒着しているため、成長と共に水頭症や下半身麻痺、その他の症状が現れる可能性があるとのことで、中学生まで毎月MRIでの経過観察が続きました。中学からは小児脳神経外科の年齢から外れるため、症状のある分野の専門診療科を受診しています。 編集部: 今まで、どのような薬を使いましたか? ロミさん: 幼少期は便秘改善の漢方、現在は逆に仕事に支障が出ないように下痢止めの薬である止瀉薬(ししゃやく)を使うことが多いです。