20年落ちフェラーリでの参加は恐れ多い!? 驚異のスーパーカーだらけのツーリングとは(連載:29歳、フェラーリを買う)
『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は、スーパーカー・ツーリング・イベントに初参加したお話。 【写真を見る】100台以上の最新フェラーリやランボが並ぶ圧巻の光景
知り合い“ほぼゼロ”での参加
ボクはこれまで、ツーリング・イベントの類に参加した経験がない。学生時代、仲間とともに複数台でドライブに行った経験は2度ほどあるものの、いずれも、ツーリングというよりは「つるみんぐ」。数十台~数百台規模のツーリング・イベントは未経験だった。 そんなボクを、「一般社団法人 日本スーパーカー協会」の代表理事である須山泰宏さんと事務局長の山里真元さんが、「SCJの年末恒例の箱根ツーリング一緒にいきませんか?」と、誘ってくれたのである。 SCJとは「SuperCar Club Japan」という、スーパーカー・オウナーが集うクラブだ。フェラーリやランボルギーニ、アストンマーティンやマクラーレン、ポルシェなどのスーパーカー&スポーツカーを所有する人の集まりだ。入会金や年会費はなく、ツーリングやランチパーティー等のイベントを定期的に開催しているという。代表を務めるのは、前出の須山泰宏さんだ。 箱根ツーリングの開催日は12月13日(日)。予定表を見ると奇跡的に“空欄”だった。とはいえ、SCJのメンバーでないから、知り合いは皆無。見知らぬ人たちとのツーリングとなるので、当初は悩んだ。 が、せっかくのお誘いを断るのはもったいない。今回、行かなければ、今後、ツーリングに参加するチャンスが巡ってこないかもしれない。意を決して、「参加します!」と、メールを返した。 とはいえ、ひとりで参加するのはなんとも心細いので、後輩をひとり誘った。 せっかくの初ツーリングだから、参加者目線で楽しむべく、フォトグラファーに同行依頼はしなかった。後輩に、スマートフォンでの撮影を任せたのである。
車種は関係ナシ
ツーリングに参加するため、まずは愛車を引き取りにフェラーリ横浜サービス・センターへ向かった。なんと今年の7月からほぼずっとセンターへ預けたままだった。 1年点検と、それによって発覚した冷却水漏れの修理、フェラーリ・クラシケ取得に伴うサスペンション換装やフロントリップスポイラーの取り外し、そして取得に伴う作業の撮影などの必要があったため、いちいち引き取りに行くのも煩わしく、預けたままにしていたのだ。 久しぶりに戻ってきたわが360モデナは、乗ると、相変わらず素晴らしい。この約5カ月でさまざまなスーパーカーに乗ったが、やっぱり愛車が1番! と、あらためて実感した。気負わず運転出来る、という点がなにより素晴らしい。 最新のスーパーカーに比べれば性能や快適性は劣るかもしれないけれど、その分、“運転している感”が強い。たとえばセミオートマチックのF1マチックも、いまどきのツインクラッチタイプ自動MTに比べると変速はスムーズでないけれど、そのメリハリがかえって新鮮である。 ツーリング当日は見事な晴天! 絶好のドライブ日和である。後輩をピックアップし、待ち合わせ場所の東名高速道路の海老名サービスエリア(下り)を目指す。天気の良い休日だったものの渋滞はなく、スムーズに高速道路を進む。 途中、フェラーリ「458」やランボルギーニ「ウラカン」など多くのスーパーカーが追い抜いていった。参加者だろう。錚々たるスーパーカー群のなかに20年落ちの360モデナで参加してもよいのだろうか? と、不安になってきた。 海老名サービスエリアに到着すると、色とりどりのスーパーカーたちがずらりと並んでいた。新世代のフェラーリやランボルギーニ、アストンマーティンにくわえ、テスタロッサといった往年の“名車”もある。20年落ち前後のモデルは意外と少ない。若干、“場違い”な感も否めない。 が、そんな不安は稀有に終わる。代表の須山さんが「車種は関係ないです。スーパーカーが好きかどうか、が、重要です」と、述べたからだ。その言葉に、ホッとした。引け目を感じることはないのだ。そういえばSCJのウェブサイトにも「オープンでアットホームなクラブです」「『スーパーカーとは?』などの車種の厳格な定義はしておりません」と、書かれていた。