10年前に漂着した体長4.8メートルの死骸、実は貴重な発見だった 骨格標本を展示
沖縄美ら海水族館(沖縄県本部町)で希少な鯨類「タイヘイヨウアカボウモドキ」のオスの全身骨格標本が展示されている。太平洋、インド洋に生息するハクジラの仲間で、2011年7月30日、うるま市浮原島の海岸に漂着していた個体の死骸を標本にしたもの。沖縄美ら島財団と沖縄美ら海水族館を中心とする研究チームが分析を行い、タイヘイヨウアカボウモドキと判明した。 【写真】展示された全身骨格標本 体長は4・8メートル。国内では鹿児島、北海道に次ぐ3例目の漂着報告で沖縄では初めて。沖縄周辺にも同種が生息することを示す貴重な発見だという。 標本は、美ら海プラザ内(水族館出口エスカレーター下)美ら海“出会い”の広場で展示。骨自体に一切傷を付けない方法で作製、展示されており、特徴などを記載したパネルとともに見ることができる。 同財団総合研究センター動物研究室研究員の小林希実さんは「クジラが漂着してから10年の時を経て展示することができ、感慨深い。ここでしか見られない標本をぜひ見ていただきたい」と話した。 調査結果は国際学術誌「Aquatic Mammals」にも掲載された。