初開催のカブラスは砂利浜が自慢のイス・アルタスの海岸で4度のサンドゾーン【シクロクロス2024/25 WC第3戦 カブラス・サルディーニャ:プレビュー】
ターコイズブルーの海に囲まれた美しき島が、史上初めて、UCIワールドカップ・シクロクロスの舞台となる。イタリアはサルデーニャ島の西岸カブラスで、12月8日(日)に開催される第3戦は、決して甘美なビーチバカンスではない。 【バイクの乗り降り】辻啓のシクロクロス解説動画 第3弾 シクロクロスの国際的飛躍を願うUCI国際自転車競技連合は、いつだって新たな冒険を探し求めている。このところイタリア大会と言えば、ヴァル・ディ・ソーレであり、北のドロミテ山塊の麓の凄まじい雪原バトルであった。しかし今年は一転、地中海に浮かぶ大きな島へ飛ぶ。2024/2025シーズンの全12戦で、唯一の、初開催地だ。
もちろん大陸からの長距離移動は、チームにとっても選手にとっても、かなりの難題に違いない。特に前週も「海外」ダブリンでの大会だった。本場メディアでは「わずか2時間の全力疾走のために2週間の遠征!?」との見出しさえ踊ったほど。だから多くの選手たちは……特にいまだ調子の上がらない面々は、来るクリスマスシーズンに向けて地元での乗り込みや集中合宿のほうを好んだらしい。
幸いにも絶好調組は、初代王者の栄光を懸けて、迷わず海を渡る。開幕からの2戦で上位独占を続けているベルギー勢たちは、ワールドカップ総合首位マイケル・ファントゥレンハウトと2位エリ・イザビットを筆頭に、ほぼほぼスタートラインに勢揃い。11月上旬のヨーロッパ選手権でスペイン人として初めてメダルを射止め、ダブリンでは生まれて初めてワールドカップ表彰台にも飛び乗ったフェリペ・オルツ(スペイン)も、新たな快挙を更新するつもりだ。一方でなんと2戦連続トップ5入りを逃したオランダ勢は、4人の少数精鋭で踏ん張るしかない。
島名を冠したロードレース大会を有し、過去幾度となくジロ・デ・イタリアのプロトンを迎え入れてきたサルデーニャ島だが、地元自治体は、改めて今大会を全世界へ向けた観光PRの機会にしたいと熱望している。順調に整備が進む自転車レーンのおかげで、サイクリストたちは古代フェニキア人の遺跡を眺めたり、地中海に突き出す岬を気ままに巡ることができるのだとか。それに「ライスビーチ」とも呼ばれ、白く細かな砂利浜が自慢のイス・アルタスの海岸は、きっと最高のアピールになる。……お天気さえよければ。
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