聖カタリナ学園、上甲さんの薫陶受けた監督と共に初切符 第93回選抜高校野球
29日開かれた第93回選抜高校野球大会の選考委員会で、32校の出場が決まった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で前回大会が中止となった2年ぶりの「春」。創部5年の聖カタリナ学園(愛媛)が春夏通じて初めての切符を手にした。大躍進に選手たちは松山市内のグラウンドではじけんばかりの笑顔を見せたが、チームを引っ張る越智良平監督(39)は甲子園に特別な思いを抱いている。 【センバツ出場校決定】運命決めた選考会の様子 女子校だった同校は2016年に共学化し、同時に野球部も発足。当初から指揮官を務める越智監督は3度甲子園を経験した愛媛県立宇和島東高時代、同校や済美を率いてそれぞれセンバツ初出場・初優勝を果たした上甲(じょうこう)正典さん(14年死去)に薫陶を受けた。進学した早大では主将を務めて東京六大学リーグ春秋連覇を果たした。 聖カタリナ学園の監督就任後は、上甲さん直伝の「打ち勝つ野球」を徹底。創部初年に1年生部員のみで夏の愛媛大会8強に食い込み、ユニホームの色から「赤い旋風」と話題をさらった。18年春には四国大会準優勝、翌夏には愛媛大会4強など夢舞台への階段を一気に駆け上がった。 越智監督はこの日「いい投手がたくさんいると思うが、ひるむことなくしっかり振り切って攻略したい。出るからには頂点を目指して戦う」と抱負を語った。試合中の穏やかな表情から「上甲スマイル」で知られた師の偉業を目標に選手と共に甲子園に挑む。【遠藤龍、中川祐一】