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【寄稿】米国の黒人の死を生むのは制度、私たちの命は使い捨てにされている

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The Guardian

【執筆:Derrick Johnson】  米国では、あまりにも多くの黒人が命を落とし続けている。  私たち黒人は、自分の車を運転していて死ぬ。屋外で遊んでいて死ぬ。子供の世話をしていて死ぬ。アイスクリームを食べていて死ぬ。自分のベッドに寝ていて死ぬ。私たち市民のために働き、私たちを守ると誓った警察の手にかかり、私たちは死に足りないほど、次々に死んでいく。  それでも、私たち黒人の死は終わらない。私たちは出産で死ぬ。息ができないと、あえぎながら死ぬ。心臓発作で医師に十分治療してもらえず、助けを求める声を無視され、死んでいく。  私たち黒人が死ぬのは、痛みを伴う場所、すなわち貧困生活や獄中生活を送る黒人が不釣り合いなまでに多過ぎ、高等教育や公選職、連邦裁判所のように助けになるところでは不当に少な過ぎるからだ。死因はさまざまだが、他の場合に比べ、一つのことが突出している。人種差別だ。  黒人の命が使い捨てにされるのは、制度の不具合などではなく、制度そのものに原因がある。私たちは不当に死ぬことを運命付けられている。少なくとも、保護も尊重もされず、大切にもされず、一人前の人間として扱うべき対象として見なされない。人種差別はこんな具合に機能し、米国史を通じてずっと効率良く運用されてきた。  不衛生な飲料水しか出ず、空気が汚れている場所で、私たちが不均衡なほどに最低賃金の仕事に就いているのは偶然ではない。私たちが住む環境では、企業が水や空気を汚しながら商売に精を出し、地元の学校は何もかもが不足し、緑も少なく、食料品店さえもなかなかない。  こうした条件すべてが、私たち黒人の死亡統計を塗り替えている。米国の黒人の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の死亡率は、白人の3.5倍だ。黒人は全人口のわずか13%にすぎないが、国内の新型ウイルス感染者数に占める割合は、その約2倍を占めている。新型ウイルスが肌の色で私たちを見つけ出しているわけではない。黒人には「基礎疾患」があるからだ。  その疾患とは、人種差別だ。機会があまり与えられない。十分な医療を受けられない。経済的な不平等。偏った刑事司法制度。大量投獄。関心を向けられずに放置され、悲鳴を上げている学校。真実を認めてもらえない。さまざまな場に人種差別がある。  偽造した20ドル紙幣を使用した疑いで既に手錠を掛けた男性の首を8分46秒間も膝で押さえつけ、本人は「息ができない」と懇願し、近くにいた人々はその男性が死にそうだと叫んでいる。そんな状況が警察の適切な対応とされる制度など、人種差別以外にない。米ニューヨーク市警は5年前、たばこを1本1ドル(約109円)で違法販売した容疑で、エリック・ガーナーさんを窒息死させた。こうした凄惨な統計から、米国の警察の中で黒人の命の価値がいったいどれだけかを私たちは学ぶ。

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