【卓球】沈黙の強化本部。日本の卓球の未来を語る日は来るのだろうか
中国の強固な壁を打ち破る強い意志と方向性を強化本部が発信することを期待する
忘れていないだろうか。卓球競技は、東京五輪で4個のメダルを獲得した後、パリ五輪では2個に減少している。日本卓球協会の強化本部は、東京五輪後からパリ五輪、さらにそれ以降にわたって、その存在感に疑問を持たれている。2021年の東京五輪では4個のメダルを獲得したが、2024年のパリ五輪では女子団体と女子シングルスの早田ひなの2個に減少した。 WTTの発足や国内選考会の導入により、選手たちは過密スケジュールを強いられたが、五輪後5カ月が経過しても、強化本部からは選考方式や強化方法に関する総括が聞こえてこない。また、メディアだけでなく、選手や母体に対する説明もない状態だ。このままでは、日本の卓球の未来に懸念が残る。 日本の強化体制は1960年代に始まり、荻村伊智朗の指導の下で中国からの覇権奪還を目指した。その後、ナショナルチームの設立や国内外の選手育成が進められ、2012年のロンドン五輪以降は成果を上げてきた。 しかし、福原愛、石川佳純、平野早矢香、水谷隼などのメダリストたちは、協会の強化による成果というよりも、各母体や個人の死に物狂いの努力によって栄光を勝ち取ったと言える。強化本部は完全にサポート役に回っており、これが最近の日本の強化の現状である。 パリ五輪後、WTTへの参戦において、選手たちはほとんどが自己負担だと聞いている。協会の予算内で強化費は5億円を超えるが、強化の明確な指針がないまま、この予算はどのように使われているのだろうか。すべてを母体に任せ、海外遠征の負担を母体や選手自身に押し付けるのであれば、強化本部の役割は一体何なのか。 将来、日本の卓球をどのように強くしていくのか。日本のトップ選手と、その高いレベルを目指す若い選手、母体はどのように訓練すべきなのか。 中国は強い。しかし、「世界一奪還」とテレビの前で語っても、その強固な壁を打ち破る強い意志と方向性を、強化本部が選手たちに発信していないことが問題ではないだろうか。