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「人生、虚しく生きてきた」両親の遺体は血の海に……36歳息子の「殺害動機」

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文春オンライン

 事件前日、男は9日間にわたり濃密な時間を過ごしてきた“親友”に対し、積年の苦悩を打ち明けていた。 【画像】両親を殺害した吉留貴裕容疑者 「俺の親、おかしいんよ。自分たちが遊ぶのはいいのに、俺が家に友達を呼ぶのは嫌がるけん」 ◆ ◆ ◆ 「お父さんとお母さんを殺してしまいました」  5月24日早朝に埼玉県富士見市で起きた両親殺害事件。東入間署を訪れた無職・吉留貴裕(36)はそう話し、堰を切ったように泣き喚いた。署員が自宅マンションに直行すると、血の海に両親の遺体が横たわっていた。 「両親を殺害した貴裕が殺人容疑で逮捕されたのは同日夜のこと。事件当時、長男・貴裕と両親の3人はひとつ屋根の下で暮らしていた」(社会部記者)  貴裕と交流のあった60代男性が語る。 「朝、近所のイオンに隣接する公園で2~3回話しかけられたことがあるのですが、言うことが支離滅裂だった。数日前は『また僕の話を聞いてください』と話していた」  周囲ではトラブルが絶えなかった。 「今年4月にも警察への通報があり、貴裕は『俺は暴力団の手下。クスリが……』と口走るなど、興奮状態だったといいます」(前出・社会部記者)

「北九州には仕事がないから関東に行く」

 福岡出身の貴裕は、薬剤師の父と専業主婦の母との間に長男として生まれた。貴裕が中学時代に住んでいた北九州市内のマンションの住民が明かす。 「吉留家には息子が2人おり、お兄ちゃんはヤンチャ、弟は真面目な印象でした。10数年前に、『北九州には仕事がないから関東に行く』と言い残し、引っ越していった。お兄ちゃんは礼儀正しく『お世話になりました』と言って、手紙をくれたのを覚えています」  新天地を求めて栃木県宇都宮市に移住したのは、貴裕が23歳の頃だった。やがて一家は、事件の現場となった富士見市に転居。約2年前、父は徒歩20分の距離にある小さな薬局の権利を買い取り、独立した。 「お父さんは小柄で癖のない良い人。薬をもらいに行くと丁寧に説明してくれた。たまに団子やみかんを持っていくと『これ古いから』と、余っているサロンパスをくれたりした」(知人)  その頃、貴裕はイオンや公園など、限られた生活圏の中に身を置いていた。だが、そんな日常風景は5月15日を境に一変する。午前10時頃、貴裕が公園に立ち寄ったところ、ユーチューバーとして活動するX氏(42)の姿があったのだ。 「貴裕が一方的に話しかけ、親交を結んだようです。2人の仲を深めたのは各々が抱える病。うつ病を経験したX氏は精神的な病いの貴裕を気にかけ、毎日のように公園や自宅で会い、一緒に動画を配信するようになった」(捜査関係者)  貴裕の知人は「両親は、息子の看病に疲れ果てている様子だった」と語り、次のように打ち明ける。 「自宅に貴裕の部屋はなく、廊下に布団を敷いて寝ていた。家では人間扱いされていないように感じた」

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