新庄古口道路、全線開通 着工から16年「地域の安全が進歩」
高規格道路「新庄酒田道路」(延長約50キロ)を構成する「新庄古口道路」(同10.6キロ)の新庄市升形-戸沢村津谷間の延長6キロが7日、開通した。新庄古口道路は着工から16年で全線通行が可能となった。災害に強い道路ネットワークの確保につながり、戸沢村役場-県立新庄病院間の救急搬送が6分間短縮される。 村中央公民館で行われた式典には来賓約70人が出席し、吉村美栄子知事が「難工事で工期が遅れ心配していたが開通の日を迎えられうれしく、安堵(あんど)している」とあいさつした。7月豪雨では戸沢村の国道47号が最上川の氾濫で一部崩壊し一時全面通行止めとなった。加藤文明村長は「地域の安全安心が進歩した。防災、医療、観光、産業で大きな可能性を切り開く」、山科朝則市長は「開通を起爆剤に地方創生に取り組む」とそれぞれ話した。 関係者は開通区間の岩清水トンネル(新庄市升形、延長868メートル)でテープカットとくす玉割りで祝い、車両が通り初めを行った。
新庄古口道路は片側1車線の暫定2車線で幅員12メートル。2008年度に着工し、新庄市本合海-升形間(同2.4キロ)は15年度、戸沢村津谷-古口間(同2.2キロ)は18年度に開通した。升形-津谷間は22年度の利用開始を見込んでいたが、地滑りでトンネル出入り口部分ののり面の亀裂、コンクリートの変形が見つかり工事を中断。地中へ鉄筋を打ち込み、トンネルを延伸させるなどした。総事業費は約570億円。 新庄酒田道路は約27キロが開通した。未開通のうち約13キロが事業着手済み、約10キロが事業化されていない。