「プレーする可能性を妨げた」 。ミランのゴール取り消しは妥当だったのかを検証|ワールドサッカージャッジリプレイ
【海外サッカー・ニュース】Jリーグオフシーズンの特別編としてスタートした『ワールドサッカージャッジリプレイ』。『#4』では、Jリーグ副理事長の原博実氏と審判員ゲストの廣嶋禎数氏に加えてスペシャルゲストとして今季限りで現役を引退した玉田圭司氏が登場し、様々な事象を議論。その中からセリエA第18節ACミラン対ナポリの90分のシーンをピックアップし、ゴールが取り消されたジャッジについてそれぞれ独自の見解を述べた。
現地でも大きな話題となったシーンだ。 ミランのチャンスシーン。左サイドからDFフォデ・バロ=トゥーレが中にボールを入れて立て続けにシュート。最後はこぼれ球をフリーになったMFフランク・ケシエが蹴り込み、ミランが終了間際に大きな同点弾を奪うことに成功した。しかし、ここでVARが介入。オン・フィールド・レビューを行った結果、ペナルティーエリア内で倒れていたFWオリビエ・ジルーの体がオフサイドラインを超えていたことから、ボールには触れていなかったもののオフサイドの判定でゴールが取り消しとなった。 なかなか珍しい事象ではあるが、今回のジャッジは妥当だったのか。玉田氏は率直に「正直、厳しいと思いました。関与していないんじゃないかなと思います」と見解を述べた。 一方、原氏は「オフサイド」と強調。「ジルーが倒れていて、結果的にカニバサミのようにDFをブロックするような形になってしまっている。DFがクリアしようとしたときに、ジルーが少しでも足を抜いて関係ないよとすれば良かったけど、抱え込むようになってしまったのでDFに影響を与えていると言われても仕方がない状況になっている」と説明した。 二人の意見に対し、元国際副審でもある廣嶋氏は「原さんの言われた通りです」と主張。改めて今回の事象を解説した。 「この場合は相手競技者がボールをプレーする、またはプレーする可能性を妨げたに入るので、オフサイドポジションの選手がいなければもっと違うプレーができたと判断すれば、オフサイドになると思います」 この解説を聞き、玉田氏は「納得はできないですけど、VARがある以上、こういう結果になってしまうのは仕方がないんじゃないですかね」とVARの難しさを口にした。 最後に廣嶋氏は「オフサイドで仕方ない。身体的な接触があるので、それであればそういう判断をせざるを得ないと思いました」と語り、レフェリーの判定を尊重している。 海外サッカーを題材に新たな発見を提供してくれる『ワールドサッカージャッジリプレイ』に今後も注目だ。