新型コロナウイルス影響 大阪の歓楽街も客足遠のく・飲食業界の現状
新型コロナウイルスの感染者拡大に伴い、さまざまな業界で利用客が激減する中、飲食業界も苦境にあえいでいる。売上半減、8割減、営業休止など、苦しい立場に追い込まれている。一方で、まったく客足が落ちていない飲食店や行列ができている店もある。いったい今、どうなっているのか。関西の飲食業界の現状を追いかけた。 【映像】記事にも出てくる大阪の繁華街「新世界」のシンボル「通天閣」が営業を続ける理由とは
ミナミの道頓堀や宗右衛門町の繁華街も閑散
未曾有のコロナ禍で多くの飲食店が悲鳴をあげている。ミナミの道頓堀や宗右衛門町の繁華街を歩くと、明らかに買い物客や観光客が減り、軒を並べる飲食店も客はまばらだった。 「3月に入ってから利用客が一気に減り、今は以前の3分の1です。コロナ感染が広がる前は外国のお客さんも多くて満席だったんですけど。最近は日によってバラバラです」(大型お好み焼き店従業員) 複数がシノギを削るたこ焼き店も、客足が遠のいているようで、中には「コロナには負けません」と書きしるしたプラカードを掲げ、熱心に呼び込みをしている店舗もあった。
人気のチェーン店も臨時休業など
人気のチェーン「がんこ宗右衛門町店」は、店を閉め、「お客様各位 臨時休業のお知らせ」と題した張り紙を出している。 「ミナミのエリアは店舗数が多いので(5店舗)、お客様を集中させるという対策で宗右衛門町の1店舗を営業休止にしました。キタも同じで、1店舗閉めてます。時期はまだ決まってませんが、また再開します」(がんこフードサービス広報) 他にも、イカ焼きやおにぎりなどを取り扱う北新地にある路面店「世界北新地」も、「新型肺炎の影響に伴い、しばらくの間おやすみさせて頂きます」の張り紙があった。
グルメライターが語る関西飲食店業界の現状
また、茨木市の「イオンスタイル茨木」及び「イオンスタイル新茨木」で勤務していた派遣スタッフが感染したとの報告(3月5日大阪府発表)が出たとたん、瞬く間にSNSなどで情報が広がり、イオンモール茨木店もかなり影響が出たようだ。 「1階のフードコートは夜の7時半くらいから8時を回ると、お客さんが一気に減ってます。感染者が出たとの報道があったその日から、客足がぴたりと止まりました。売上が3分の1のところもあります。ただ、少しずつ人は戻ってきてますよ」(フードコート従業員) 食べ歩きが趣味の在阪グルメライターは、業界の現状をこう話す。 「インバウンド需要で人気だった店は、相当な被害を受けてますね。新世界の串カツ店は売上80%減のところもあります。ミナミの神戸牛店では、半額セールを打ち出して対策を講じましたが、それでも客が入らないと嘆いています。キタの大型中華料理店は、昼のランチは満員(70人~75人)でも、夜は客がゼロの日もあると言ってました。安倍総理の発言などで予約キャンセルが50組も出たそうです」