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毒親になった「大草原の小さな家」のローラが過ごした過酷な幼少期

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ELLE ONLINE

清貧なる開拓者の生活を描き、米国的自主自立を説いた米文学史に残る名作『大草原の小さな家』。児童書としても多くの子どもに読まれ、日本でもNHKで長期に渡って放送されていたことで、やんちゃな主人公ローラと端正で優しいとうさん、そして内助の功の鑑ともいえるかあさんが体現する、強く逞しくそして温かな開拓者の家族像に胸が熱くなった人も多いだろう。 しかしこの原作者ローラ・インガルス・ワイルダーが築いた家庭は、そんな温かさとは真逆の冷徹な自己責任論に満たされていた。 それが娘ローズへと受け継がれた結果、母と娘の間には激しい確執が横たわり、最終的には『大草原シリーズ』の著作権を巡る壮絶な争いをもたらし、インガルスの血脈は失われてしまったことを知る人は少ない。 貧困への恐怖を常に抱え、倫理と自助努力に偏向した親が引き換えに手にしたものは、子どもの奥底に生まれた闇と毒……。 今回はローラとローズ、自己責任論に毒された毒母の系譜、そしてお互い人生の中でかなり深刻な貧困に見舞われた母娘の人生がどう絡まりあっていったのかを追う。

お金持ちの母がローラに強いた自助自活の訓えと極貧生活

ローラ以前の女性たちとローラ、ローラの娘ローズには決定的な違いがある。それは贅沢な暮らしの経験だ。 ローラの“かあさん”キャロライン・インガルス、祖母シャーロット・クワイナーらは、一時期貧しいと言える暮らしを体験したことはあっても、結婚する前に衣食住に困らない、いやむしろ贅沢な生活を一度は送ったことがある。ローラの母と祖母は贅沢な経験をした後で家庭を持ち、自身の選択や外的要因に見舞われ貧することはあっても、生涯を通じて支払いや借金、あるいは次またいつ貧困状態に陥るかと強迫性障害を負うまでには至らなかった。 ところがそんな女性たちに育てられたローラと、とりわけ娘ローズには生育環境で醸成された貧困と自身の教育不足に対する絶対的強迫性不安、そして劣等感から来る自身の決断への絶対的自己肯定感が生涯つきまとっていた。

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