「支配ではなく利用。飼育技術を高めるのが使命」「見せて人間が楽しむ形態は間違っている」 動物園は必要か不必要か
日本の主な公立動物園の入園料は500~800円前後で、設備の改修等が厳しい状況が続いている。一方、海外の動物園の入園料は、アメリカ・サンディエゴ動物園が約6200円(60ドル)、フランス・ボーバル動物園が約4200円(34ユーロ)などで、きちんとお金を取って動物のための環境を作ることも必要なのではないか。 大渕氏は「日本の動物園はほとんどが地方自治体の下にいることもあって、やはり歴史的な慣例というか前例主義みたいなところがある。しかし、やはりそれはおかしいということで、少しずつ上げようという動きはある。動物園では、飼育員ではなくて動物専門員というような言い方にもしてきているし、政府もどんどん変えていこうとしている」と説明した。
日本動物園水族館協会は今年、動物のストレスを減らすため、1頭あたりに必要な面積や、床の素材に適切な室温まで、適正な飼育環境を取り決めたガイドラインを発表した。 動物園のスタイルをアップデートしていくにあたり、どんなことに取り組んでいるのか。大渕氏によると、「動物と一言で言っているが、虫なども含めて少なくとも100万種以上がこの地球上にいる。それぞれの飼い方は全然違うが、必要な広さであるとか、群れで暮らしているのであれば何頭以上であるとか、はっきり言って今までの失敗も含めた飼育の努力でこうしたマニュアルができつつある」という。 岡田氏はこの点は前向きに捉え、「こういったマニュアルを作っていただけるというのは、非常に歓迎しているところ。これまで全くない中で私たちも意見を届けてきて、話が通じなかったのがどんどん変わってきている。特にここ数年で大きく変わってきているのを感じているので、こういった動きはどんどん広がっていって欲しいと思う」と述べた。 (ABEMA/『ABEMA Prime』より)