戦場カメラマン・渡部陽一インタビュー「紛争地に入るときは、恐怖で震えています」
── 危機管理をすれば、ジャーナリストは、紛争地に入って良いと? 渡部:現場に100パーセントの答えはないと感じています。準備をしたから完全に大丈夫ということも決してありません。チームが安全だから必ず大丈夫、とも言えません。どこを基準におき、どこに線を引くのか、それぞれのジャーナリスト、カメラマンが、大切に、しっかりと伝えていくことは重要なのだと思います。「リスクを背負うからこうだ」という断言であったり、白黒の判断の線引きは、実は、ほとんどがグレーゾーンにあるものです。それをどのように、わかりやすく丁寧に、伝え、整え、そして、退くことができるのかを、整えることが大切だと感じますね。 ---------------------- 渡部陽一(わたなべ よういち) 戦場カメラマン。イラク戦争では米軍従軍(EMBED)取材を経験。これまでの主な取材地は、ルワンダ内戦、コソボ紛争、チェチェン紛争、ソマリア内戦、アフガニスタン紛争、スーダン、ダルフール紛争、パレスティナ紛争など。