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「人種」はいかにして人間を差別する概念になったのか

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ハンギョレ新聞

[書評]『誰が白人なのか?:米国の人種鑑別残酷史』 チン・グソプ著/青い歴史

 米国では一時、ある白人は黒人扱いを受けた。19世紀末から20世紀初めにかけて、イタリア人移民は「白人のなかの黒人」という意味で「デイゴ」(dago)と呼ばれた。ユダヤ人も「黒い東洋人」や「白い黒人」と称された。米国南部に定着したイタリア移民の子どもは黒人学校に割り当てられてもいる。アングロ・サクソン族だけが白人だった時代だ。  『誰が白人なのか?』は、人種差別と人種鑑別の事例をくまなく当たり、人種は創作された加工物だという事実を明らかにする。人種の歴史は長くない。古代には黒い肌のせいで差別されることはなかった。16世紀の大航海時代以降、西洋人は新大陸の先住民を搾取するために人種概念を作り出した。基準も合理的でなかった。南アフリカ共和国政府は髪の毛の間に鉛筆を入れて通過すれば白人、そうでなければ有色人とみなした。米国社会は黄色人種の移住民も荒っぽく区分した。独立運動のために米国に渡った朝鮮半島出身者たちは日本人に分類された。彼らは第2次世界大戦を起こした責任を追及されてもいる。  人種の概念は変化してきた。人種差別を受けた南欧、東欧の移民者は、1930年以降、白人の範疇に編入された。大恐慌で実施した公共プロジェクトのおかげで、従来の白人と一緒に働くことになったからだ。「人種の範疇は生まれつき決まっている、永久的で固定された垣根ではない。社会・政治的状況によって変わる架空のものだ。(…)人種は支配集団の特権と権力追求の産物であり、弱者抑圧のイデオロギーとして創作された」。米国で約30年間人種を研究してきた著者の社会学者チン・グソプ(米マクファーソン大学社会科学部教授)の言葉だ。私たちの中の人種である学閥、出身地域、ジェンダーはどのように変わるのか、知りたくなる一冊だ。 イ・ジョンギュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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