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コロナうつにならないために 従業員のメンタルケア、“不安とうまく付き合う”サポートが鍵

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ITmedia ビジネスオンライン

 新型コロナウイルスは、仕事の“前提”を大きく揺るがした。会社に行くこと、会って話をすることなど、当たり前のようにやっていたことができなくなり、自宅で、相手と会わなくても仕事を進めざるを得なくなった。 【「emol work」のAIチャット機能の画面イメージ】  そういった環境にさらされ、急速に広がったのがテレワークだ。急に導入することになり、テレワーク運用の課題が見えた企業もあれば、今後も在宅勤務を拡大する方針を示す企業も出てきた。そんな中で、部署やチームのメンバーの様子が分かりにくくなり、業務のフォローやケアが追い付かないという不安を抱える人も多いだろう。  メンバーの仕事が進んでいるか不安になってしまう、コミュニケーションが少なくなって何につまずいているのか分からない、自分の仕事の進め方が間違っていないか不安、上司に監視されているような気になる、子どもの世話で仕事に集中できない――など、さまざまな立場で新たな悩みや課題が出ていると考えられる。  そのような状況から、在宅勤務での「メンタルケア」に対する関心が高まっている。メンタルケアの法人向けサービス「emol work(エモルワーク)」を運営するemol(東京都台東区)によると、5月7日に正式版サービスを発表したばかりだが、約1週間で100社以上が無料登録を済ませたという。テレワークの本格導入を模索する企業が増える中で、従業員の“ケア”の在り方をあらためて見直す機会になっているようだ。

AIとの会話で“悩み”を明確化

 「企業による問い合わせ内容からは、まだテレワークに慣れていない、模索中であるということが伺えます」と、emolのCOO(最高執行責任者)、武川大輝氏は話す。2019年12月からトライアルで提供していたβ版と比べて、今回発表した正式版の方が「反響を感じている」という。  「emol work」の主な機能は2つ。AIとチャットで会話することで悩みを明確化する「メンタルケア」の機能と、チームで悩みを共有する「コミュニケーション」機能だ。メンタルトレーニングを盛り込んでいたβ版よりもシンプルで分かりやすいサービスにした。  ただ、反響の大きさは、新型コロナ感染拡大も影響しているようだ。武川氏によると、正式版の発表前はコミュニケーション機能の需要が大きいと予想していたが、実際はAIチャットによるメンタルケアに興味を持つ企業が多いという。「以前よりも、“心の問題”に意識が向いているのでは」と見る。  AIとの会話には、認知行動療法(CBT)やアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)といった心理療法のアプローチを取り入れている。特にACTは、不安や困難を感じる気持ちを否定せずに受け入れ、うまく付き合っていけるようにすることを促す療法。AIが投げかけてくる質問に答えながら会話することで悩みを明確化し、一緒に解決策を探る。「カウンセリングやコーチングによって、“内省”と“行動変容”を促す」(武川氏)ものだという。人が応対するオンラインカウンセリングを、簡易的な形で再現した。  チームメンバーとの悩みの共有は「悩みボード」という機能が担う。匿名で、掲示板に付せんを貼るように悩みを投稿し、そこにコメントを付け合う仕組み。匿名で投稿することで、安心して相談したり助言したりできる。心理的安全性を担保しているという。  利用した企業の反応から、武川氏は「そもそも内省や行動変容のコーチングを受けたことがない人が多い。自分を見つめ直す体験をして、その重要性に気付いてもらえたのでは」と話す。チャットや投稿などの機能が無制限で利用できる有料プラン(ユーザー1人につき月500円)に切り替える企業も少しずつ増えているという。  これまで以上に「心の問題」に向き合う必要が高まる中、こういったサービスの利用も一つの方法だが、今後は「従業員のケア」をどう考えればいいのだろうか。

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