国内外の映画ファン相次ぎ来店 人気作に出演した子役のSNS投稿から広がった“裏メニュー”
今月公開1周年となった是枝裕和監督の映画「怪物」のファンの間で、諏訪市のJR上諏訪駅前にあるそば店「十割そばや」が「聖地」となっている。映画に子役で出演した俳優、黒川想矢さんがインスタグラムにそばなどの写真を載せており、メニューにはない「怪物セット」を求めて国内外からファンが集う。頼んだ料理で怪物ファンであることが分かるとし、そば店でファン同士の交流も生まれている。 【写真】映画「怪物」ファンが集う「十割そばや」。偶然同席した海外からのファンが仲良くなることも
子役で出演した俳優の黒川想矢さんが紹介
怪物の撮影が諏訪地域で行われた2022年、そば店を経営する会社の代表、長崎圭祐さん(41)は、俳優や撮影スタッフへのケータリング(料理宅配)に携わった。自身の小学生の子どもらと撮影現場を訪れた際、黒川さんと親しくなって交流するようになったという。
黒川さんのインスタグラムの投稿には、そば店のメニューにあるそばやコロッケの写真が「今年の夏も食べたいなー」とのコメントとともに掲載され、映画や黒川さんのファンに注目された。出演者による映画のトークイベントなどで「かりんソーダ」について言及されることもある。
隣同士になったファンが互いに注文した「セット」を見て…
長崎さんによると、映画ファンの間で定番となりつつあるのが「怪物セット」。内容は八ケ岳産のそば粉を使用した「黒もりそば」(税込み850円)、揚げたての「コロッケ」(同300円)、地元のマルメロやカリンを原料に使っている「かりんソーダ」(同300円)の3品だ。
怪物セットはメニューに掲載されていない。ファンの間で口コミで広がったとみられ、セットを注文する人が増えてきた。熱狂的な海外ファンは、撮影地巡りなどで繰り返し諏訪地域を訪れており、その都度そば店を訪れるファンもいる。
長崎さんによると、隣同士になった映画ファンがお互いが注文した料理を見て会話が始まることがある。今月上旬には、そば店で偶然に同席した中国、韓国、フィリピン、そして台湾のファン計5人が仲良くなり、そろって諏訪地域のロケ地巡りに出かけたことがあったという。