「優勝は嬉しい、演技は悔しい」前人未到のジュニア4連覇…島田麻央16歳が見据える“世界女王”坂本花織「シニアの試合になれば、私は挑戦者」
濱田先生の言葉を信じて…
濱田コーチから言われた言葉は、「エルファバになりきって、楽しく滑って」 エルファバとは、ショートで演じるミュージカル「ウィキッド」の魔女の役。今年8月に劇団四季の公演を観に行き、エルファバ役を演じる江畑晶慧さんと小林美沙希さんから伝えられたアドバイスを思い出した。 「夏にお会いできた時に、お二人にたくさん質問をして、『エルファバの演技をしているときはなりきっていて、自分じゃないから緊張しないよ』と言われたのです。今日は自分のままでいたら絶対緊張に負けてしまうと思い、濱田先生の言葉を信じて『エルファバになりきろう』と思いました」 濱田コーチの言葉を胸に、滑り出す。3つのジャンプはパーフェクトで、緊張していることを周りに感じさせないほど安定していた。 「今までは、ジャンプの前は『ジャンプに100%集中する』と意識しないと跳べないと思っていました。でも今回、ジャンプに入るまではエルファバになりきって楽しんで滑っていても跳べるんだ、ということが分かりました。今後はそうしていきたいなと思います」 ジャンプが終わったあとは、自信のあふれる笑みでステップを演じ、演技を楽しんだ。 「なりきれた度でいうと、まだ50%くらい。エルファバは肌が緑色で『他の人とは違う』という役で、『それでも自分の道を突き進んでいったら必ず良いことはある』というのが、私の感じとっているメッセージ。私も自分の道を正しいと思って進んで、彼女のような強い女性になりたいと思いました」 コーチ達と祈るように点数を待つ。72.69点が表示されると、顔をほころばせた。 「72点は自分が覚えている限りでは国内自己ベスト。こんなに緊張していても、普段通りの演技ができたことは良い自信になりました」
「優勝は嬉しいが、演技は悔しい」
翌日のフリー。6分間練習では、軽やかにトリプルアクセルを決める。調子は上がっていたが、緊張は抑えきれなかった。 「6分練習が終わってから待っている間は、息がまともに出来ないくらい緊張しました。それでも、『とにかく思いっきり行こう』と思って行きました」 本番は、冒頭で高さのあるトリプルアクセルを決め、女王の意地を見せる。4回転トウループは転倒したものの、すぐに演技を続けて「3回転+3回転」の大技2つを降りた。後半の3連続ジャンプが2連続になるミスはあったが、圧巻といえる内容だった。 得点はフリー128.63点、総合201.32点での優勝。得点をみると何度もうなずき、ほっとした笑みを浮かべた。 「今回はショートもフリーもすごく緊張した試合になりました。優勝は嬉しいですが、演技は悔しいです。特に、4回転以外でもミスが出たところは、練習の成果が出せなかった部分なので、すごく悔しいです」 「でも」と言って続ける。 「この試合は通過点。悔しさがあると強い気持ちで頑張ることができます。今回悔しさを味わえて良かったと思えるように、まずはジュニアGPファイナル、そして全日本選手権で良い演技をしたいです」
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