【ファストバックが追加】アウディQ5スポーツバック 40 TDI クワトロへ試乗 小変更
GLCクーペやX4としのぎを削る
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル) translation:Kenji Nakajima(中嶋健治) 2010年前後からの10年間、アウディは大きな成長期にあった。その伸びを支えていたのが、大中小が用意されたSUV。ドライブトレインの幅も広く、プレミアムブランドとしての品質も備えていた。 【写真】アウディQ5スポーツバック 競合クーペ風SUVと比較 (152枚) 特に主役級の活躍を示したのが、2008年に導入されたQ5。今ではアウディの売上ランキングで、トップ3の常連モデルになっている。2020年の厳しい状況下でも、全世界へ13万台以上をメキシコの工場から送り出した。 現行のアウディQ5は2代目で、フェイスリフトに合わせてシャープなシルエットのスポーツバックが追加された。クーペ風SUVは英国市場でも人気の一途。従来的なクーペではなく、実用性も得られるスタイル重視のSUVへ強い支持が集まっている。 アウディも、Q3スポーツバックやQ8、純EVのeトロン・スポーツバックなどをラインナップする。その新リーダーとなるべく登場したのが、Q5スポーツバックだ。BMW X4やメルセデス・ベンツGLCクーペ、レンジローバー・ヴェラールなどと、しのぎを削ることになる。 フロントマスクはQ3やQ8と共通のデザインが与えられ、リフトバック・スタイルのテールゲートは大きなクラムシェル形状。明らかにハイカラな見た目に仕上がっている。 選択したグレードによって仕様は異なるが、フロントグリルにはハニカム・メッシュを採用し、ヘッドライトはOLED(有機EL)を用いた最新のもの。ディテールにもこだわりが見られる。一方で、通常のQ5との兄弟関係もすぐに理解できるはず。
インテリアはQ5と同じ高級感
Q5スポーツバックの全長は、Q5より7mm長く4690mm。全幅は1893mmと変わらないが、スポーティなルーフラインに合わせて全高は62mm低い1600mmとなる。 インテリアも基本的にフェイスリフト版のQ5と相似。ダッシュボードやスイッチ類、シートなどは同じものだ。運転環境は素晴らしい。モニター式のデジタルメーターは鮮明で見やすく、人間工学的な不満も浮かばない。運転支援システムも充実している。 内装素材は、プレミアムブランドにふさわしい高級感がある。そのかわり、車内空間は高さ方向で狭められている。 なだらかに傾斜するルーフへ沿うように後席側の頭上空間は削られ、荷室容量はトノカバー下で10L小さい510L。分割可倒式の背もたれを倒せば、最大で1480Lにまで拡大できる。 Q5スポーツバックに搭載されるエンジンは、直列4気筒とV型6気筒のガソリンとディーゼル。すべて通常のQ5と同じユニットで、当初英国へ導入されるのは40 TDIと呼ばれる2.0L 4気筒ディーゼルターボのみ。最高出力は203psを得ている。 ツイン触媒コンバーターとアドブルー噴射システムを搭載し、NOx排出量を大幅に削減させている。 EU6dと呼ばれる新しい欧州の環境規制にも、対応できている。 追って、2.0Lディーゼルターボで163psの35 TDIのほか、2.0L 4気筒ターボガソリンで264psの45 TFSIと、3.0L V6ディーゼターボで286psの50 TDIも英国上陸を果たすだろう。頂点を飾るのは、先日ご紹介したSQ5スポーツバックだ。