「江戸前鮨を究める」~日本屈指の漁場でとれた新鮮な魚介で握る北九州の「江戸前鮨 二鶴」
舩橋さん 「『もう~なんでこんなにせっかちなんだよ』みたいな。こっちは九州の田舎者だからですね。築地に行ったら築地に行ったで、みんなせっかちだったんです。『てめぇこの野郎!、なにボーっと立ってんだよ!』つって。『え~なんだ、この人たち』って思ったけど。やっぱりそれが江戸前なんだよっていうことでですね」 ■江戸っ子の「せっかちさ」には理由が 江戸の昔から変わらぬせっかちさ、実はそれにも理由があったのです。 舩橋さん 「鮮度を大事にしていました、当時の江戸っ子は。氷のない時代に誕生した技術なので、その日にとれたものを、その日のうちに握るっていうんで。昔ながらの技術を守りたい。釣った時には、やっぱりそのいい漁場の近く、鮮度のいい魚が手に入るってことで北九州にまた戻ってきて、ってことでやっています」 ■「寿し」から「鮨」に 舩橋さんが継ぐ前のお店の名前は、小さい頃の写真にもあるように「寿」の漢字を使った「二鶴寿し」。 今の店名「江戸前鮨二鶴」には一般的な「寿司」や「寿し」ではなく、江戸前鮨を表すという「鮨」の文字を使い、その伝統を受け継ぐ思いが込められているのです。 「二鶴」があるのは、福岡県北部に位置する北九州市。日本海側には響灘、瀬戸内海側の周防灘、そして関門海峡と三方を海に囲まれています。 ■屈指の漁場の魚介で最高の江戸前鮨を 暖かい対馬暖流と日本海からの寒流がぶつかり、魚たちが集まる大陸棚が広がる日本屈指の漁場です。 水揚げされたばかりの新鮮な魚が並ぶ北九州の台所旦過市場に、毎朝自ら仕入れに向かいます。 江戸前鮨 二鶴 舩橋節男さん「これは対馬?」 鮮魚店の主人「はい」 舩橋さん 「対馬のアナゴですね。こうやってギリギリまで活かしこんで、本当に身の生きてるうちに煮アナゴにする。そうすると仕上がりが全然違うんです」 ■魚の仕入れは「オーディション」 舩橋さん 「魚の仕入れっていうのは、ちょっとなんかオーディションみたいなところがあってですね。その日とれたものを、一回、市場に全部集めて、そこで一次審査してこれが競りに当たります。そして魚屋さんとか卸が、選別しててそこで2次審査。ここが今、ちょうど最終審査みたいな所です。これは魚屋さんの仕事なんです。今度私たちはウチに持って帰って、すし屋の処理をします。これができるだけ鮮度のいいうちにするってことが大事です」
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