貯金が「300万円」なのに、60歳で定年を迎える父。定年後も働くようすすめるべきでしょうか?
定年退職後の生活をどうするか考える
定年退職した後、繰上げ受給する年金だけで生活していくのは難しいといえるでしょう。生活費の不足分を補うために貯金は目減りしていくのに加え、もし突発的に大きな出費が発生することになっても、払えない可能性が高くなります。 貯金が少ない場合、健康面や体力に問題がなければ、子どもは親に定年退職後も引き続き働くことを検討してもらうか、生活費をサポートすることが必要となるでしょう。 ■継続して働くことを考えてもらう 本人の意志や意欲を尊重する必要がありますが、再雇用制度などを利用して継続して働くことを考えてもらいましょう。 現在は「高年齢者雇用安定法」という法律で、企業は「定年を65歳まで引き上げる」「65歳までの継続雇用制度の導入」「定年の廃止」のいずれかを取り入れることが義務化されています。 さらに定年を70歳まで引き上げる努力義務もあわせて制定されており、60歳以降でも意欲があれば、働き続けられる環境が以前よりも整ってきているといえるでしょう。 内閣府が公開している2022年のデータをみると、60歳~64歳の73%、65歳~69歳の50.8%、70歳~74歳の33.5%、75歳以上の11%が何らかのかたちで就労しています。 再雇用の場合、仕事内容や給与などは保証されていないため、給与が下がる可能性は高くなりますが、多くの人が60歳を過ぎても働いていることを知ってもらうと、働くことをすすめやすくなるでしょう。 ■子どもがサポートする 場合によっては、子どもが金銭的に援助することも考える必要があります。 厚生労働省の「令和4年 国民生活基礎調査」によると、親へ仕送りをしている世帯は全体の2%ほどです。 1世帯あたりの仕送りは、1ヶ月あたり2万円~4万円未満、年代別では50歳~59歳が最も多くなっています。子どもが親を金銭的にサポートする場合は、自分の生活に無理のない範囲で行うことが大切です。