【バスケ日本代表】渡邉飛勇が乗り越えた3年間の「きつく悔しい旅」 東京五輪雪辱へ パリでメンバー入りなるか
バスケットボール男子日本代表(FIBAランキング26位)は7日、パリ五輪前に国内で行う最後の強化試合を有明アリーナで行い、韓国(同50位)に88ー80で勝利した。2日前の韓国戦、6月にあったオーストラリア(同5位)との2戦を合わせ、強化試合4戦を1勝1分2敗という成績で終えた。なお、八村塁はコンディション調整、渡邊雄太は左ふくらはぎの肉離れで欠場となった。 記者の質問に笑顔を見せる八村塁 日本代表は8日中にも最終メンバー12人が決定するとされており、韓国戦は代表候補16人にとって最後のサバイバルとなった。特に激しい競争が予想されたのがビッグマンのポジションだ。パリ五輪で対戦するフランス(同9位)は224㎝のビクター・ウェンバンヤマ(NBAスパーズ)、216㎝のルディ・ゴベア(NBAティンバーウルブズ)ら規格外のサイズを持つ選手が揃っており、他の強豪国にもNBA経験を持つ屈強なビッグマンが多い。日本は八村やジョシュ・ホーキンソンら主力のビッグマンが多くの時間をプレーするとはいえ、2人を支える控えビッグマンの役割は非常に大きくなる。 207㎝のセンター・渡邉飛勇もパリ五輪でのメンバー入りを目指す1人だ。八村と渡邊が欠場した韓国戦では2戦ともに先発としてプレーし、7日の第2戦では約16分間の出場で7得点3リバウンド2ブロックを記録。ホーキンソンや河村勇輝とも息の合ったコンビプレーを披露し、ロスター入りへ大きくアピールした。
韓国戦で先発も「自信はないです」
「自信はないです」 韓国戦を終えて、最終メンバー入りへの自信を聞かれた渡邉は笑顔で答えた。 5日の第1戦を84-85と競り負けた日本。選考要素が強い強化試合とはいえ、パリ五輪に弾みをつけるためにも7日の第2戦は絶対に勝っておきたい試合だった。 試合開始直後、ホーキンソンからパスを受けた渡邉が先制点を含む最初の5得点すべてを決める活躍を見せる。その後も体を張ったディフェンスやリバウンドなどで献身的に貢献。第4クォーター残り2分の「クロージングラインナップ」にも登場すると、残り1分24秒には豪快なブロックショットを披露し、勝利に決定づけた。 韓国戦2試合でのプレーやトム・ホーバスヘッドコーチの起用法を鑑みると、渡邉の最終12人へのメンバー入りは有力とも思える。それでも、渡邉が気を緩めることはない。 「今日(7日)は川真田もすごくよかったし、(ジェイコブス)晶もすごくよかった。井上も昨日(第1戦)はすごくリバウンドが強かった。このサバイバルはとてもきついと思います。毎日毎日120%を出さないといけない。(先発でプレーしたとしても)関係ない。吉井や馬場もスターターをやっていたりしたし、誰がスタートで出るかは関係ないと思う。僕は自分の出場時間の中で、自分の役割を果たすだけです」 負傷中の渡邊雄太が万全ではない状況を踏まえると、パリ五輪本番では3番4番ポジションの厚みが必要となる。韓国戦ではジェイコブス晶や川真田紘也も素晴らしい活躍を見せただけに、どの選手が選ばれてもおかしくない。 5日の試合後にはホーバスHCが「川真田みたいなディフェンダーか飛勇みたいなディフェンダーか、そういうコンペティション(競争)がある。どちらがこのチームにいいかなと。多分この2人で凄いサバイバルがあると思います」と言及しており、最終的に指揮官がどのような判断を下すのか注目が集まっている。