第61回ヴェネチア・ビエンナーレの芸術監督はコヨ・クオ。アフリカ現代アートの躍進を後押しする人物
「Power 100」では16位にランクイン
2026年に開催されるヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の芸術監督として、コヨ・クオが任命された。 コヨ・クオはカメルーン出身のキュレーター。10代でスイスに移住し、両国の国籍を持ち、現在はケープタウン、ダカール、バーゼルを拠点とする。1996年、インディペンデント・スペースがほとんど存在しなかったセネガルにアートセンター「ロー・マテリアル・カンパニー(RAW Material Company)」を設立、アーティスティック・ディレクターとして活動。2019年からはケープタウンのツァイツ・アフリカ現代美術館(Zeitz Museum of Contemporary Art Africa)のエグゼクティブ・ディレクター兼チーフ・キュレーターを務め、アフリカ系アーティストの個展を多数開催してきた。 ドクメンタ12(2007)とドクメンタ13(2012)ではキュレーター・チームの一員として名を連ね、国際的なキュレーターとしての活動以外にも、アフリカの美術や美術機関に関する著書を執筆してきた。2020年には芸術、建築、批評、展示分野での業績を称えるスイスの芸術賞・メレット・オッペンハイムでグランプリを受賞。 今回の任命に際して、クオは「芸術監督として先駆者たちの足跡をたどり、現在の世界、そして何より私たちがこれから作りたい世界にとって意味のある展覧会を構成することは、一生に一度の名誉であり、非常に光栄なことです」とコメントしている。 なお、クオは先日発表されたアート界影響力ランキング「Power 100」では16位にランクイン。紹介文のなかでは「アフリカのアート界がますます強大になっているのは、コオ自身の努力によるところも少なくない」と評されている。
Art Beat News