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環境立国デンマークが挑む世界初の「エネルギー島」気候変動対策と経済回復を同時に叶える構想とは

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SDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)が発表した2019年のSDGs達成度ランキングで世界1位に選ばれ、サスティナブルな国としての在り方に世界中から注目が集まるデンマーク。 同国では2030年までに温室効果ガス排出量の70%削減を目指しており、その目標の達成と新型コロナウイルスによる経済ダメージからの復興に向けて、世界初となる「エネルギー島」の創設が現実化しているようだ。 環境保護のパイオニア・北欧デンマークが挑む「エネルギー島」の構想とはーー。

国内発電量の50%を再生可能エネルギーでまかなうデンマーク

デンマークといえば、世界でも類を見ないほど再生可能エネルギーの割合が高い国としても知られている。2019年は、国内発電量の50%以上を風力と太陽光の再生可能エネルギー発電が占めており、これは同国で過去最高の数値となる。 デンマークの非営利団体「Danish Energy」によれば、2005年に18.7%だった再生可能エネルギーの割合は、2011年頃から大きな伸びを見せ、2019年に50%を突破した。 デンマークは元々、エネルギー源を石油に頼っており、当時のエネルギー自給率はわずか2%。しかし、1973年の第一次オイルショックを転換点として、エネルギー源の切り替えをはじめ、さまざまな対策を講じた。1991年には世界初の洋上風力発電所を建設し、近年では業界の世界的リーダーとして存在感を見せている。 日本の再生可能エネルギーの割合は、2019年の推計で18.5%であり、デンマークがこの10年余り、いかにエネルギー政策に注力してきたかが伺える。

デンマークには、海洋上を中心に多くの風力発電のタービンが設置されていて、デンマークらしい光景の一つとなっている。

世界初の「エネルギー島」の開発。歴史上最大の単一インフラ投資

デンマークがエネルギー島の建設調査を本格的に開始したのが、2019年の12月。調査には6500万DKK(11億円弱)もの予算が割り当てられ、少なくとも10GWの洋上風力容量を捻出できることが条件だった。 そして、2020年5月、デンマーク議会は2つのエネルギー島の創設を含む合計6GWの洋上風力発電の建設を承認した。 具体的な計画内容は、デンマーク海峡の北西にある小さな島、ヘッセロ沖に1GWの風力発電所を建設すること、バルト海にあるボーンホルム島を2 GWのエネルギー島として使用すること、そして、北海に3GWのエネルギーを捻出する人工エネルギー島を設置することだ。 北海の人口エネルギー島では、将来的に10GWのエネルギー捻出が見込まれている。2つの島が完全な容量(合計12GW)まで構築された場合、ヨーロッパの洋上風力容量が54%増加することになる。 この計画の実行によりデンマーク内の家庭の年間消費量を上回ることから、島に接続されているオランダやポーランドとも協力関係を築き、各国にエネルギーを輸出する予定もあるとのこと。つまり、エネルギー島はハブとしての利用が見込まれているのだ。 政府によると、長期的な目標はエネルギー島からの電力をグリーン水素に変換し、それをさらに航空機、トラック、船舶、暖房用などの燃料に加工して、温室効果ガスの削減を可能にすることだという。全体として、デンマーク政府の気候変動対策計画では、2030年までに200万トンの温室効果ガスの削減が可能になると期待されている。 デンマークのDan Jorgensen気候大臣はフィナンシャル・タイムズに、「プロジェクトは最大370億ユーロの費用がかかり、デンマークにとって歴史上最大の単一インフラ投資になる」と語った。 島のプロジェクトは官民パートナーシップを通じて資金を調達する予定であり、資金の大部分は民間投資家から提供される予定だ。

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