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[インタビュー]「原発汚染水、ひとまず地上のタンク保管が最も現実的で安全」

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ハンギョレ新聞

松久保肇・日本原子力資料情報室事務局長 原発周辺の広大な土地を活用すべき タンクに入れた後、コンクリートで固める案も 日本国民も同意しない海洋放出を止めるべき 韓日市民の連帯など国際的圧力がカギ

 「福島原発の汚染水はひとまず地上のタンクでの保管を継続すべき。タンク容量が足りなくなったからといって海洋放出という選択肢はあり得ない」  日本原子力資料情報室(CNIC)の松久保肇事務局長は最近、「ハンギョレ」との書面インタビューで、福島原発の汚染水処理と関連し、最も現実的かつ安全な対策とは何かという質問に対し、このように答えた。原子力資料情報室は、日本の脱原発運動の象徴だった核物理学者、高木仁三郎氏の主導で1975年に設立された市民団体だ。脱原発関連の研究と講演、資料集の発刊など活発に活動している。以下は一問一答。 -福島原発の汚染水の海洋放出はいつ最終的に決まると思うか。 「東京電力は汚染水を希釈して海に放出するとしている。そのため、希釈用の施設を建設する必要があるが、建築許可など考慮すれば最終決定のタイムリミットはこの夏から秋にかけてだろうと思われる」 -海洋放出を推し進めている理由は何だと思うか。 「日本だけでなくどの国でも原発の運転などで汚染水に含まれるトリチウムは海洋や大気に放出されてきた。その延長線での決定だと思う。また海洋放出が最も安価だということも一因だろう」 -日本国内でも反対の声が高いようだが。 「多くの市民が反対している。特に漁民は“風評被害”など深刻な影響を受けるとして強く反対している。また、福島県内や周辺の複数の議会が汚染水の放出に対する懸念を示す決議を行っている」 -このような反対世論が、政府の政策を変える可能性はあるか。 「特に直接の利害関係者となる漁民の反対の声は強く影響する。以前、東京電力は福島など地元の理解が得られない限り、汚染水を海洋放出しないと文章で約束した」 -汚染水の海洋放出に対し、韓国や海外の環境団体などが制止する方法はないか。 「国連海洋法条約に基づく訴訟などが考えられる。ただ、韓国で稼動中の原発、特に月城(ウォルソン)原発からは大量のトリチウムが放出されている。福島第一原発の汚染水の海洋放出による影響を立証するのはなかなか難しいだろう」 -汚染水処理で最も現実的で安全な対策は何か。 「最も現実的な選択肢は、ひとまずタンク保管を継続することだ。福島第一原発には土地がないというが、周辺には放射性廃棄物を保管するための広大な土地(中間貯蔵施設)がある。経済産業省は他の目的には流用できないといっているが、地権者などと交渉することは可能なはずだ。タンクの容量が足りなくなって放射性物質を海に放出するという選択肢はあり得ない。日本の市民グループは、地上での保管を継続しながら、コンクリートで固めることを提案している。また、海洋放出すれば国際問題になるだろうと政府に警告している」 -韓国市民社会に言いたいことがあるとしたら? 「日本政府は原発の使用済み核燃料に含まれるプルトニウムやウランを燃料として再利用する核燃料サイクル政策を推めている。現在建設中の青森県六ケ所村にある六ケ所再処理工場は、その中核となる施設で、2021年の稼動を目指している。この工場は大量の放射性物質を海や大気に放出することになる。トリチウムについてみると、福島第一原発の汚染水の約10倍もの量を毎年放出する計画となっている。福島第一原発の汚染水問題と並んで、きわめて大きな問題だ。韓国でも韓国原子力研究院(KAERI)などが中心となって、使用済み核燃料再処理の研究開発を進めている。再処理工場の問題はそれだけではない。プルトニウムは核兵器の原材料にもなり得る。韓国・日本の市民の連帯で、両国の再処理計画を食い止めなければならない」 キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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