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孫正義「卑怯者、無責任と叩かれても耐えよ。撤退する勇気こそ、リーダーの資質」

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新R25

新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、多くの企業がリモートワークに切り替わりました。 若手ビジネスパーソンのなかには「この期間に何かしたほうがいいのだろうか」という不安になっている人もいるでしょう。 そんな不安を払拭するべく、新R25では特集「先駆者のシゴトの極意」をお届け。 最前線で活躍する先駆者たちの著書より、どの時代でも通用する、若手ビジネスパーソンが大切にすべき仕事の心構えをご紹介します! 今回ご紹介するのは、『孫正義 リーダーのための意思決定の極意』。 ソフトバンクグループの創業者である孫正義さんが、後継者を育成するための学校「ソフトバンクアカデミア」でおこなった特別講義をまとめた一冊です。 真のリーダーになるための心構え、在り方とは一体何なのか? 孫さんの哲学を凝縮した同書から、リーダーの本質が分かるメッセージをお届けします!

危険を感じたら、即撤退できる奴がリーダーに向いている

私はリスクの大きなチャレンジばかりをしている人間だと、一般的には思われていると思います。冒険、博打、いろいろな形容をされます。 たしかに激しく戦いを挑みますし、その頻度も高い。 ガンガンやっているのは確かですが、本当はものすごく用心深いんです。 3割以上のリスクは冒さない。 失敗した場合でも、その部門だけを切り捨てれば会社本体は倒れない。 その切り捨てる部門が、全体の収益や企業価値の3割を超えてはいけない。一か八かはやっちゃいけない。 7割以上勝つという見込みを得るまでは、執拗に理詰めで詰めていく。 でも「7割以上勝てる」という見積もりは主観によるわけだね。 そこは気をつけなきゃいけない。軽はずみに、楽観的に見切っては錯覚します。 7割以上勝てることへの100%の確証が絶対に必要なんだ。 考え抜いて、どう考えてもこれは7割以上行けるぞ、というものでないといけない。執念の入った7割でないといけない。 孫さんが7割と言っていたから、だいたい7割でいけるだろう、そんな軽い気持ちで決めちゃいかんよ。 ましてや五分五分のときに戦いを仕掛けるなんて馬鹿がやることだ。 そういう人はリーダーになっちゃいけない。武田勝頼になってしまう。 彼は長篠の戦いで、天下に名高い武田の騎馬軍団を織田(信長)の鉄砲隊に突っ込ませて全滅させた武将です。 負け戦なのが明らかなのに、そのまま突っ込んで全滅した。最悪のリーダーだ。 もし私が勝頼で、騎馬軍団が3割もやられたら、その場で恥も外聞もなく一目散に逃げる。 一目散に退却させる。勝頼は意地になっちゃったんだね。そういう人がリーダーになると会社をつぶすからね。 これだけは絶対に戒めなきゃいけない。 意地で戦いをやっちゃいけない。 でもたいてい、途中から意地になるんだね。負け戦だとわかっても、失った3割を惜しんでそのまま突っ込んじゃう。 3割がもったいない、だから取り戻さなきゃいけないと深追いして、全滅しちゃうのよ。 この「もったいない」という発想が会社をつぶす。 僕自身は何回も退却戦をしました。退却をするのは攻めるときより10倍も勇気がいるんです。 でも僕は、退却するときは速いよ。マスコミにはめちゃくちゃ叩かれるよ。卑怯者、無責任とね。 ましてやジョイントベンチャーでやっている事業の撤退は、パートナーに迷惑をかける。そこで一生懸命にやっている部下たちもいる。 たとえばすでに1000億円も突っ込んだ事業、それを撤退するにはものすごく勇気がいります。 でも、これをやれる者だけが、リーダーとしての資質がある。 意地でやるやつは馬鹿だと思え。退却できないやつは馬鹿だと思え。そんなケチなやつがリーダーになっちゃいけない。それは無能なんです。 ブレーキのついていない車がどれほど危険か。バックできない車がどれほど危険かということですね。 絶対に組織を3割以上は痛めない。3割以上やられそうだとなったら、迷わずスパンと尻尾を切る。 そのくらいの厳しさと激しさ、それを支える固い守りを持っていないと、リーダーになっちゃいかん。 大企業でも中小企業でも、つぶれるときは3割の尻尾を捨てられなかったケースがほとんどだと思います。 投資でも損切りができないといけない、それと一緒だよね。 かといって確率が9割を超えるまで待っていると、とくにわれわれの業界ではほとんど手遅れになります。 もちろん、短期間で素早く9割以上の確率が押さえられるなら、それに越したことはない。でも8割、9割まで待っていると手遅れになる場合が多い。 世界中で生き馬の目を抜くような競争をしています。みんなガンマンのように早撃ちだ。こっちも素早く撃たないと手遅れになる。 日本の大企業が負けるのはだいたいスピードです。彼らは9割まで待っている。 リスクは高くてはいけない、でも低く抑えすぎては勝負すらできないということを、ぜひ覚えておいてください。

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