能登地震11カ月、冬の不安募る なりわい復興に向け歩みも
能登半島地震から11カ月となった1日、石川県の被災地では、住民が冬の寒さや雪への不安を漏らした。一方、被災した商店街は地震翌月から続けていたイベントに区切りを付け、年明け以降の本格的ななりわい復興に向け歩みを進めた。 地震と9月の豪雨で被災した輪島市町野町では、朝から雨が降って冷え込む中、県内の大学生が炊き出しをした。地震で自宅が傾いたという細畑美代子さん(82)は「多くの家が被害を受けた。重い雪に耐えられるだろうか。電柱も倒れそうで、停電にならないか心配だ」と冬の到来に不安をにじませた。 七尾市の一本杉通り商店街は、地震で多くの店舗が損壊。東日本大震災で被災した宮城県南三陸町などの支援を受け、2月から月1回開催してきた「復興マルシェ」が、この日をもって定期開催を終えた。 損壊した店から商品を取り出し、初回から参加している漆器店の女将新城礼子さん(63)は「マルシェへの出店を励みに頑張ることができた。あまり先のことは見据えられないが、来年は店舗再建に向けて走りたい」と力を込めた。